さらに運命的な出来事が、吉本興業の養成所(NSC)で起こった。くるまは、ケムリと一緒にNSCに入ったわけではなく、「たまたま入った時にいた」という偶然の再会だった。

 NSCには、相方のいない生徒を集めた「相方探しの会」というマッチングイベントがある。これは本当に「マチコンみたいな」雰囲気で、椅子に座って「え、どっちがボケやりたいですか? ツッコミやりたいですか?」と尋ね合う、グループワーク形式のものだという。

 この会の「だるさ」を感じていたくるまとケムリは、お互いにそれを避けるために、互いの名前を使って「ズル」をしたと明かした。

「『相方いますか?』って聞かれた時に、『松井さんって人が入ってます』って言ったら断れる。ケムリも全く同じだるさを考えてて」

 コンビを組む意志があったわけではないが、「仲いい先輩だったんで、『確かに2人でコンビでやってもだるくないっすよね?』みたいな。『授業とかサボれますよね』みたいな感じでやってって、そのまま残っちゃった」と、「だるくない」という消極的な理由でコンビが継続したことを明かした。

 お笑いでお金を稼ぐ必要のないハイスペックな二人が、「ズルと偶然」によってコンビを結成し、それがM-1王者へと繋がったという異例の事実に、ひろゆきと東出も驚きの声を上げていた。