12日の参議院予算委員会において、保育士の処遇改善について議論がなされた。
立憲民主党の高木真理議員は「人手不足になりつつある職場では『全産業平均の処遇』がないと、もう本当に人が流れていってしまう状況です。今年の補正予算でも、処遇改善、人事院勧告も含まれていて改善しているという資料もあって、率直に評価をいたしますけれども、全産業平均との差、縮まっていないんですね。保育士の処遇は全産業平均の処遇、お給料自体をゴールと位置付けているということでよろしいですか?」と質問。
これに黄川田仁志国務大臣は「(高木)委員ご指摘の通り、保育士等の処遇改善は極めて重要な課題であると思っております。そして全産業平均賃金、これは『目標』というか『目安』としておりまして、全産業平均賃金も年々今上がっていっていますから、例えば『いついつの目標』というよりもここを『目安』としながら、そこになるべく近づくように、またそこに合うように、今、その人事院勧告の指摘も踏まえて、指摘以上の率でアップしているところです。もう1回ご質問に答えると、明確な目標というよりも目安として追っていっているという、そういう形になっています」と回答。
高木議員は「確かに(全産業平均の賃金と)ガッと開いていっているという問題ではありませんけど、縮まっていませんね。やっぱりもっと縮まらないと。しかも『何年』って区切ってやらないと『目標にしていたらどんどん目標の方が上に行って追いつきませんでした』とか言っていると、そうしている間にもう保育士確保できなくなりますけど、ロードマップ作りませんか?」と提案した。
黄川田大臣は「なかなか統計に出てこないところもあって、実質上はもう少し近づいている可能性がございます。はい、はい。ええ、はい。あのー、ちょっと反映されてないところがあって、ただ、ただですよ。ただですよ、ただちょっと聞いてください」と話しながら“当惑”。
黄川田大臣は続けて「そのベースアップに加えまして、処遇改善加算において、例えば施設事業所の職員の平均経験年数に応じた昇給等を行えるようにするといったことや副主任保育士や職務別分野リーダーなどの技能経験に応じた賃金改善を可能としていてですね、職責に見合った賃金改善が行われるということで、全体的にしっかりと上げるということでしております。ロードマップという名称は使用しておりませんが、こども未来戦略におきまして、民間企業の動向を踏まえた処遇改善、今申しているようにやっていくことと、またこども家庭庁におきまして、保育政策の新たな方向性ということでも保育士の処遇改善の実現に向けて政策を考えているというところでございます」と答えた。
この回答に納得がいかない高木議員はさらに「いつまでに全産業平均を目指すんですか?」と質問。
黄川田大臣は「他の職種と遜色のない処遇の実現に向けて『何年にまで』ということは先ほど申したように設定はしていないんですが、全産業平均の賃金も目安にしながら進めていきたいと考えております」と回答。
高木議員は「これ期限を区切らないと。いいじゃないですか、目指してたら、飛び越えちゃったら、そこから横ばいにすればいいので、追いつかなかったら一番困るんで、そこから目標、また角度を上げればいいわけですから。絶対目標作ってそこに向かってやらないと、本当に人手が確保できなくなります。子どもたち、保育も受けられなくなります。ぜひお願いをしたいと思います」と話して次の質問に移った。
(ABEMA NEWS)

