■地獄の日々から15年後、パニック障害に苦しむ現状
でぃーさんのいじめは15年前、中学2年生の時にきっかけもなく突如として始まり、その1年間はずっと続いたという。いじめの内容は「基本的に無視される」ことや「『本当にキモイ』とか『死ね』とか『ウザイ』とか悪口」が主だった。さらに、合唱の練習中に「隣の子がわざと(足を)ぎゅーっと踏んでいるのを周りの子が見ていて、痛がっているのを笑っていた」という執拗な嫌がらせがあり、「もう泣かない日はない」という地獄の日々だった。親の都合による転校でいじめ自体は終わったが、彼女はそれから15年後の今、後遺症に悩まされている。
でぃーさんは、症状を自覚しはじめたのは「社会人になってから」で、現在は脅迫性障害とパニック障害の診断を受けている。事務の仕事をしていた時に「パソコン作業している時に、息ができなくなった」。仕事にならなかったことがきっかけで心療内科に通院し始めた。治療を受ける中で、過去のいじめ体験が背景にあると医師に指摘され、「そこが繋がっていたんだ」と後から知ったという。
現在の症状はパニック発作のほか、人間関係で「もしかしたら私が『さっき、あれを言ったこと、すごく嫌だったんじゃないか』」と過剰に不安になる強迫観念が続いている。強い光や人混みでは「本当に息苦しくてうずくまった」経験もあり、不安時や発作が起きそうな時に備え、医師の指示で心身安定剤を持ち歩いている。現在でも「夢の中にいじめていた人が当時の姿で出てくることもある」とフラッシュバックに苦しみ、仕事も組織の中ではなく、個人で調節できるものに転職したという。
■専門医が語る後遺症の理由「心の傷はデリートできない」
