日本の基礎研究に危機感「息の長い支援」「挑戦できる環境」 ノーベル賞受賞の坂口氏、北川氏が警鐘 2025/12/15 16:00 拡大する 2025年のノーベル賞で、日本は10年ぶりとなる「ダブル受賞」を果たした。生理学・医学賞に大阪大学の坂口志文特別栄誉教授(74)、化学賞に京都大学の北川進特別教授(74)。2015年の大村智氏と梶田隆章氏以来の快挙だ。しかし、10月の受賞発表後から、坂口氏と北川氏が繰り返し強調していたのは「基礎研究への支援拡充」だった。(ANNパリ支局 神志那 諒)【写真】記者会見する北川進氏と坂口志文氏ストックホルムで、授賞式と晩餐会から一夜明けた12月11日に開かれた両氏の記者会見。坂口氏は、日本の研究環境について、「日本では基礎研究に対する支援の厚みが、昔と比べて薄くなってきている」。北川氏は、研究のスケジュールについて、「基礎研究は非常に時間がかかる。ノーベル賞受賞は(研究を開始してから)20年後以降になる。だからこそ息の長い支援が必要だ。“ノーベル賞を取って騒いで終わり”では(科学は)成り立たない」。2人の言葉には、日本の科学の未来への危機感が表れていた。 続きを読む