■「監視社会」をどう生きるか SNSとの向き合い方

武藤弘樹氏
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 出演者たちは「誰もがカメラを持っている」現代社会の在り方についても考えを巡らせた。近畿大学 情報学研究所 所長・夏野剛氏は、公的なルールの限界を指摘しつつ、新たな仕組みを提案する。「法律があっても、警察の目が届かないところでは『わからない』で終わってしまう。ある一定の抑制効果、特に万引きなどの犯罪に関しては必要だと思う。ただ、さらすのではなく、例えば駐車違反などのデータを公的な機関に対して直接出せる仕組みを、社会の中に組み込んでいくという方法論はあってもいい」。

 また、哲学者・森脇透青氏は、テクノロジーが生んだ「新しい不安」について次のように述べた。「スマホが出てきて、全員が監視カメラを持っているような状態になった。かつて監視カメラが導入された時は『自由とのセットで本当にいいのか』という議論があったはずだが、今はセキュリティが強くなりすぎて、一人で放っておいてもらえる自由が忘れ去られすぎている。今の社会はデジタルタトゥーによって失敗ができない相互監視の状態になっており、非常に生きづらさを感じる」。

 議論を踏まえひろゆき氏は「自衛手段として、さらすぐらいしかないという時代になりつつある。ただ、さらしすぎればさらした側が叩かれるという自浄作用もネットにはある。結局、何が面白くて何がまずいのか、議論を通じて社会が学んでいくレベルの話」と述べていた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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