高市政権で安全保障政策を担当する官邸関係者が、オフレコを前提にした記者団による非公式取材の場で、個人的な見解としたうえで「私は核を持つべきだと思っている」と述べ、日本の核兵器保有が必要だとの考えを示した。このことについて波紋が広がっている。
自民党の中谷元・前防衛大臣は19日午前、記者団に「軽々に個人の思いを話すべきではない」「しかるべき対応をしなければいけない」と語り、責任論に言及した。
記者が「昨日各社の報道で、官邸の関係者が核兵器について『保有すべきだ』というふうな発言をしたと報じられている。これについてどのような考えか?」と質問。
中谷前防衛大臣は「私も政府の仕事をしてきてですね、いろいろとマスコミの方とも懇談することがありますが、基本的にオフレコってないんですね。やっぱり発言にはそれだけの注意と重みがありますので、軽々にですね、そういった個人の思いを話すべきではないと思います」と答えた。
記者が「発言の中身については、政府方針とはちょっと違うと思うんですけど、これについては?」と聞くと、「ですから、政府の立場として個人的な意見を軽々に言うということは控えるべきであって、特にこういった問題においては今、政治的に議論をしている最中でありますので、よく注意をしてですね、発言しなければならないと。私も記者懇とか、いろんな形で意見を表明してますけど、重々気をつけて言ってますので。本当にそういうことが行われていたとしたら、けしからん話ですよね」と述べた。
記者がさらに「発言された方は高市総理に安全保障について具申する立場だというふうに報じられてますけれども、この方の責任といいますか、職として続けられるべきか?」と質問。
中谷前防衛大臣は「その発言が公になった以上、しかるべき対応をしなければいけないと思います」と責任論に言及。
記者が「しかるべき対応というのは辞任ということですか?」と聞くと、「それはもう総理がお決めになることです」と述べた。
高市総理大臣に安全保障政策についてアドバイスする立場にあるこの官邸関係者は、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増すなかで、日本としても核兵器の保有について議論する必要があるとの考えを示し、「私は核を持つべきだと思っている」と発言していた。
高市総理は、核兵器を持たないなどとする非核三原則の運用の変更について、現時点で政府として検討していないとの認識を示している。(『ABEMA NEWS』より)
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