
19日午後に発表されたコメの平均価格は、5キロあたり4331円と高止まりが続いています。そんな中、正月に欠かせない餅の原料となる「もち米」にも影響が出ています。
もち米価格高騰 大打撃
お正月の定番に、異変が起きています。創業は大正元年、100年以上続く東京・新橋の老舗和菓子店。
もち米からつくる皮が自慢の「切腹最中」が主力商品で「正月用の餅」の予約受付も開始しました。
新正堂 渡辺仁司社長
「年末12月はありがたいことに忙しくさせていただいています」
日本のお正月に欠かせないのが「お餅」。
滋賀県の彦根城では、毎年恒例の餅つきが行われ、お正月ムードが漂い始めています。そんななか…。
渡辺社長
「急に上がりました。今までにない経験がきています」
「もち米」の価格が高騰しています。主要産地の代金を見てみると、もち米60キロ当たり3万円前後。高いところで3万7000円のところもあります。ほとんどの産地で前の年のおよそ2倍高くなっているのです。
いまが書き入れ時の店にとって、もち米の価格高騰は死活問題。使用している宮城県産のもち米も…。
渡辺社長
「もともと(去年の)値段から2倍近くは上がっている。うちとしても大打撃で厳しい状況ではある」
「うるち米」大きく関係
なぜ、もち米が高くなっているのでしょうか。大きく関係しているのがこちらも価格の高騰が続く、一般的に食べられているコメ「うるち米」です。
19日午後の農水省の発表によりますと、全国のスーパーおよそ1000店舗で販売されたコメの最新の平均価格は5キロあたり4331円でした。2週間ぶりに値上がりし、下がる兆しを見せません。
流通経済研究所 折笠俊輔主席研究員
「“令和の米騒動”でうるち米の価格が上がった。“うるち米の作付け増やしたほうがもうかる”ということで、多くの生産者がもち米の作付けを減らし、うるち米の作付けを増やした。今年はもち米が不足気味で、価格高騰の要因になっています」
その影響をもろに受ける和菓子店。正月用の餅については「値上げ」という苦渋の決断をしました。
渡辺社長
「(正月用の餅は)価格を1.5倍ほど値上げしました。メインの『切腹最中』は価格据え置きで頑張っていて、こちらで努力できることはしていきたい」
「(Q.正月用の餅は買う?)お雑煮とか、お正月感出る」
「(Q.高いかもしれない)う~ん…買います」
「(Q.高くても?)買います」
もち米の価格は、今後どうなっていくのでしょうか。
折笠主席研究員
「年末年始の需要が非常に大きい商品が餅なので、いまが一番高いくらいで推移していると思います。年明け以降になると多少、価格は落ち着くが大きく安くなることはないのかなと」
