年の瀬も後を絶たないクマ被害 “異例の暖かさ”クマの活動に影響は

今年も残り10日余りとなったこの時期になっても、クマによる被害が、後を絶ちません。20日宮城県では、ハンターの男性が亡くなりました。罠にかかったクマに襲われたとみられます。番組では、その後クマを駆除した猟友会のメンバーを取材。現場で一体、何が起きていたのでしょうか。(サタデーステーション12月20日OA)

異例の暖かさ クマの活動に影響は?

20日、サタデーステーションが向かったのは未だクマへの警戒が続く東北地方。

福島県猟友会 芥川克己会長
「雪がない限りはエサを探せますからね」
「(Q暖かいとクマとしても活動しやすい?)活動しやすいと思います」

“異例の暖かさ”は、冬眠の時期に入っているクマにも影響を及ぼしているようです。

ハンター死亡 猟友会メンバーが語る現場の状況

20日、周辺では10月下旬並みの17.2℃だった宮城県大和町では町内の山林で猟友会の人が倒れていると警察に通報がありました。

報告・新田智紀
「男性はこの先およそ100mの場所に倒れていました。近くにはイノシシ用のワナにかかったクマ1頭がいたということです」

クマ1頭がワナにかかった、その隣で89歳の男性が頭などに傷を負った状態で見つかり、死亡が確認されました。その後、猟友会メンバーや警察官などが駆け付けクマは駆除されました。亡くなったのは、猟友会のメンバーの加藤光男さん、89歳です。
私たちは、このクマを駆除したハンターに話を聞くことができました。

宮城県大和町鳥獣被害対策実施隊 隊長 浅井功さん
「(クマの大きさは)135cmのメスですね、かなり大きかったです。年をいったクマですね」

現場の状況から加藤さんはクマに接近し過ぎたことで襲われた可能性があるといいます。

宮城県大和町鳥獣被害対策実施隊 隊長 浅井功さん
「クマに近寄り過ぎたということだと思いますね。クマは(ワナで)ワイヤーでくくられているわけですから行動範囲というのがあるわけですよ。なんで(クマに)近づいたのかは分からない」

クマの痕跡は、福島県でも。

福島県猟友会 芥川克己会長
「新しいかどうか分からないが(クマが)踏んだ痕跡がありますね」

猟友会のハンターが箱ワナをチェックしていると、周辺にはクマの足跡や糞が残されていました。別の場所でも。

福島県猟友会 芥川克己会長
「(クマの)爪痕あるわ、いっぱい、来ているんだな。エサは食べている、爪痕をしっかり付けているから」

猟友会のハンターによるとこの時期に目撃されているクマは“冬眠を知らない子グマ”が多いといい、20日のパトロールの際にも子グマの足跡が確認されました。

福島県猟友会 芥川克己会長
「自分で(冬眠用の)穴も探せない。親と一緒にいられないような小さなクマかなと思うんですけど、親だけ捕獲されて子グマだけ残ったという可能性もないわけじゃないと思います」

クマへの警戒が続く中、県はツキノワグマ出没警報や注意報を来月15日まで延長するとしています。

異例の暖かさ 融雪災害にも警戒

“異例の暖かさ”を憂いていたのは新潟県にあるスキー場。先週土曜にオープンしたばかりですが…

報告・矢谷一樹ディレクター(20日 新潟・湯沢町)
「こちらのコースですが、所々地面が見えていますね」

悩ませているのは雪不足です。ここ数日は晴天が続き、雪が溶けたところもあり、24あるコースのうち、7つは稼働できていません。20日もスキー場は、晴れ間が広がり、湯沢町の最高気温は16℃。

東京からのスキー客
「暑いです、めっちゃ暑いです、汗だくですよ」
神奈川からのスキー客
「これ中にインナー、もう1枚くらいあるのと(全部で)3枚くらい、でももう脱ぎたい」
東京からのスノーボード客
「まだまだ全然滑れないコースが結構あるので、雪はありまけど地面が出ているところがある、まだ積雪は浅いのかも」

コースを整備するのも大変だといいます。

苗場スキー場 パトロール隊長 西銘春彦さん
「気温が上がって、マイナス3度以上になると、降雪機は止めます。霧を散布しているので、それが雪にならない温度になると雨になって落ちてくるのと一緒です。このまま高温が続くと厳しいですけど、ただ続くのも、この3日だけってことなので多分持つと思います」

気温の上昇により急速に雪解けが進むと融雪災害にも警戒が必要です。営業時間前、パトロール隊はコース内で雪崩が起きそうな亀裂がないかをチェック。シーズン中は毎日パトロールをしています。

苗場スキー場 パトロール隊長 西銘春彦さん
「一番危ないのは雪が少ない時期です。現状がそういうところを重点的に確認しています」

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