
上野公園内にどこまでも続く長い行列。来年の1月下旬のお別れを前に多くの人が駆け付けました。(12月20日OA「サタデーステーション」)
もうすぐお別れ パンダに大行列
20日、上野公園にできていた長蛇の列。
報告・青木梨央ディレクター
「こちらは入園する列なんですが、本当にたくさんのお客さんが並んでいます」
並んでいたのは、約3600人。最後尾まで行ってみると。
アナウンス
「今から並ばれてもジャイアントパンダは見られない可能性がございます」
パンダを見るために先頭あたりで並んだ人は、早朝4時半前からスタンバイしていたそうです。来年の1月下旬に中国に返還される予定の「シャオシャオ」と「レイレイ」は、上野動物園で生まれ、育てられました。神奈川県小田原市からやってきた3姉妹は、初めてパンダを見に来ました。
神奈川・小田原市から来た3姉妹
「かわいい」
笹を食べている姿を見ることができましたが、その時間は、4時間半並んで4分ほど。それでも大満足だったそう。
神奈川・小田原市から来た3姉妹
「疲れがぶっ飛びました」
予約せずにパンダを見られるのは、21日までです。
パンダを見に来た人
「日本で生まれてくれてありがとうという感じ。シャオシャオとレイレイにはたくさんの元気をもらいました。また会いたいです」
新たなパンダの貸与について、見通しは立っていません。中国メディアは、ある論評を掲載。
中国メディア「環球時報」
「パンダをめぐる温かい日中の交流をなくしたのは誰か?その答えは高市総理を代表する日本の右翼勢力である」
依存度トップの県 観光業者は悲鳴
17日に発表された統計には、日本への渡航自粛の影響が如実に表れていました。全体の訪日外国人の数は、11月までの累計ですでに3900万人を超え過去最多に。ただ、11月の中国からの観光客数は、月別で今年最少となりました。
日本国内の観光にどんな変化があるのでしょうか。私たちが訪ねたのは、静岡県伊東市のタクシー会社。
東豆タクシー内田学さん
「送迎はもうずーっとですから。ピストン輸送みたいな形でやってましたんで。(中国の)渡航の自粛要請が出てからピタっと止まった感じになります」
激減を感じているドライバーの内田さんは1日に多い時で国指定の天然記念物、大室山を10往復したことも。大室山は、中国人観光客に大人気だったようで、サタデーステーションでも過去に悪天候の中でも観光する様子を取材していました。20日、大室山の頂上へいくリフトを見てみると、人の数はまばらでした。
東豆タクシー内田学さん
「大室山リフトを待つ列がもう半端なくて、最高で3時間半くらいまで並んで、お客さんが渋滞している感じだったんですよ。満車でこの駐車場に入るための車の渋滞がありました」
実は静岡県は外国人宿泊客のうち中国からの観光客の比率が45%と全国で最多でした。東豆タクシーは、中国人観光客向けにアプリを導入し、1日に100組以上送迎してきましたが、現在は10組もいかないと言います。売上は2割ほど減少しました。
東豆タクシー森下良輔社長
「ドライバー自身に名刺を持たせて営業活動をしたり、社長業の傍らハンドル握って僕がお客様に直接伺ってもやっています」
ドライバーの内田さんがオススメの足湯に案内してくれました。
東豆タクシー内田学さん
「本当に長い足湯なので。大勢の方で入れるんで、いっぱい来てもらいたいですね」
京都ホテル料金に異変 割れる対応
一方、京都で見えた変化は、ホテルの価格です。
ホテルジャパネスク京都駅ZEQUU 田中由美フロントマネージャー
「私は初めて見ました」
2週間先の京都駅周辺のホテルが例年と比べ半額ほどになっているというのです。それに伴いこちらも。
ホテルジャパネスク京都駅ZEQUU 田中由美フロントマネージャー
「他のホテルさんが値下げされている中で、下げないと競争できない思いになったりするんですけれども、そこは状況を見て…」
フロントスタッフも初めてだというほど予約が埋まらないと言い、去年と比べ最大で5割ほど安くせざるを得ないのだそうです。
ホテルジャパネスク京都駅ZEQUU 田中由美フロントマネージャー
「ホテルからしたら少し安くなりすぎているイメージはあります」
元々、宿泊客の5割が中国人観光客でした。それが、ほぼキャンセルに。京都の観光自体が閑散期ではありますが、現在のホテルの稼働率は40%ほど。1部屋5000円台で予約を取っています。
三重からの観光客
「最初探してた時は京都も高くて大阪にしようとなったんですけど。でも京都が安くなってたんで京都にしました」
値下げをせず、対策を取るホテルもあります。
リーガロイヤルホテル京都 真柄武部長
「こちらが中国のお客様海外のお客様にも人気のお部屋となります」
中国人観光客は宿泊客のうち2割を占めていましたが、今はほぼ見えなくなったそうです。懸念は、来年2月の春節だと言い、今考えているのは…。
「基本料金を下げて(予約を)取りに行くというよりかは、セットプラン、夕食朝食を含めた価格であったり」
オーバーツーリズムによって足が遠のいた日本人観光客に訴求していくそうです。
高市総理大臣は、自身の発言によって観光業に影響が出ていることについて。
高市早苗総理大臣(17日)
「日本人が日本各地を旅行するということも大切ですし、多様な国の方々が日本を訪れてくださる、そういったプロモーションにも力を入れていきたいなと考えております」
