■専門家が指摘する設計セオリーの欠如

個室サウナの課題
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 サウナ文化に詳しく、自身もサウナ店のマネージャーを務めるヨッピー氏は、このドアノブの形状について、「あのような形状のドアというのは非常に珍しい。最近はサウナに詳しい人たちもたくさんいますから。多分、使ってるお客さんからお店にも、あのドアノブ、危なくないですかという話はいってると思う」と推測した。通常、サウナ室の扉には安全を確保するため「ラッチ(戸締り金具)」を設けないことがセオリーであり、ヨッピー氏は「内開きにすると(サウナ室で)中で倒れた人がドアに乗っかると外から開けられなくなってしまう。だから外開きにするなどの暗黙の了解、セオリーがある。それを持っていない会社が作った可能性もある」と設計上の欠陥を強調した。

 また、当該施設が「旅館業法」で認可を得ていた点についても、「旅館業法は、宿泊施設にサウナがくっついているという認可。あそこは別に寝る施設でもなんでもないのに、なぜ旅館業法で通しているのか」と疑問を呈した。ヨッピー氏は業界の健全化に向け、「真っ当にやっている人たちは安全管理に相当気をつけている。人命に関わる部分、ラッチを作っちゃダメとか、非常用電源を切っちゃダメとか、そんな規制ならみんなウェルカムなはず」と、法整備の重要性を訴えた。

■業界の法整備と今後の展望
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