怒りに震える奏は近藤を廊下に連れ出して、近藤が「莉子は売名と示談金目的で性加害をでっちあげた」という中傷記事を書いた張本人であることを追求。これに近藤は悪びれることなく「ええ、近々その続報を出す予定です。性加害を訴えたラウンジ嬢の親族に、文潮の記者がいたって記事を」とボイスレコーダーを差し向けて、奏に追加取材を始めようとする。
これは、週刊文潮記者が「ネタ目当てで妹に嘘の告発をさせた」という新たな虚偽のスクープを企てることで、莉子の性加害告発の信用性を完全に失墜させようという卑劣な情報操作だ。怒りを通り越して呆れる奏は「妹は死ぬところだったんですよ!?あなたが書いたでっちあげの記事のせいで!」と訴える。
すると近藤はこう切り返した。「何を今更。あなただって、さんざん同じようなことをやってきたでしょ?」「記事になれば大衆が盛り上がる。それが俺たちの仕事じゃないですか」と。
道徳観念の歪みが如実に表されたグロテスクな言い分。だがこれを否定する言葉を、同じ穴のムジナであった奏は持ち合わせているのか?真偽不明のゴシップを嬉々として享受する世間にも同じことが言えそうだ。
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