
「紛争の終結はかなり近付いている」と、ゼレンスキー大統領との会談後進展をアピールしたトランプ大統領。カギとなりそうなのが国民投票です。
「和平合意近づいている」
会談の直前にも、ロシアはウクライナに対して激しい攻撃を続け、東部ドネツク州などで、新たに一部地域を制圧したと主張しています。
4年近くに及ぶロシアによる侵攻は、終わりを迎えるのでしょうか。
28日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカ・フロリダ州でトランプ大統領との会談に臨みました。会談後の共同記者会見では。
ゼレンスキー大統領
「20項目の和平案については90%で合意できた。アメリカによるウクライナの安全の保証については100%の合意ができた」
強く求めてきたウクライナの安全の保証について、ゼレンスキー大統領が100%の合意ができたとする一方、トランプ大統領は。
トランプ大統領
「95%と言うこともできるが、パーセンテージを言うのは好きではない。ただ我々は非常にうまく進めている。合意が近づいている可能性はある」
やや慎重な姿勢を見せています。
そしてより大きな問題は、領土の問題です。
ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部ドンバス地方について、アメリカは、ウクライナ軍を撤退させて「自由経済圏」を設けることを提案。ウクライナにとっては事実上の領土の割譲です。
トランプ大統領
「まだ合意できてはいないが、近づいてはいる。確かに大きな問題で、まだ解決していない。進展はあるが難しい問題だ」
ゼレンスキー大統領は、アメリカの提案を受け入れるには議会の承認か国民投票が必要になるとの考えを示しています。
ゼレンスキー大統領
「社会が選び投票しなければならない。なぜならひとりのものではなく国民の土地であり、数世代にわたる私たちの国家の土地だからだ」
戦争終結のカギ 国民投票?
国民投票は実現するのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「ゼレンスキー大統領には憲法上、国家の領土を他国に明け渡す権限は与えられていなくて、それができるとすれば主権を持っている国民ということ」
ゼレンスキー大統領は、国民投票を実施するには60日間の停戦が必要だとしています。
「ミサイル、ドローンがいつ飛んでくるか分からない状況で、果たして国民が投票所まで行けるかという問題もあるし、そもそも投票所が攻撃されるということもあり得る」
トランプ大統領は、ゼレンスキー大統領との会談に先立ち、ロシアのプーチン大統領とも電話で会談。ロシアが一時停戦に応じることはないと話しています。
「プーチン大統領としては何ら譲歩するつもりはないと思う。すぐにウクライナ全土を占領することは、おそらく無理だと分かっているはずなので、何よりもドンバス地方を手に入れたいということで、トランプ大統領を巧みに操っていくのではないか」
