
今年は警察官を名乗って近付いてくる「偽警察官詐欺」が急増しましたが、他にも市役所の職員を装い、お金がだまし取られる被害も出ています。
【画像】偽警察官“巧妙な手口”とは 大阪府警から入手した実際のビデオ通話
全国に出没“偽警察官”
偽警察官
「まず私の身分確認とってもらいます。こちら見えますか?(警察手帳もどきを見せる)」
「上に階級、下に名前がある。名前を読み上げてください、声に出して」
被害者
「えーっと…すみません、(画像が)ボケていて…ヤグチ…タカシさん?」
偽警察官
「『確認取れました』と私に聞こえる声でおっしゃって」
被害者
「確認取れました」
2025年、全国で次々と出没した“偽警察官”など…詐欺師はあらゆる公務員になりすまします。
偽市役所職員
「●●市役所健康保険課のカワイです。●●様のご自宅でしょうか」
“偽警察官”だけでなく“偽の市役所職員”にも要注意!?
実際に録音・録画された3つの通話から、その撃退方法を導きます。
偽警察官vs警察官の妻
警察官の妻 阿比留加奈子さん
「フルネームで『阿比留加奈子さんですか』と呼ばれて」
「本物なのか半信半疑だったものの、フルネームを呼ばれたことで変な対応もできないなと」
まずお聞きいただく詐欺電話は、本物の警察官を夫にもつ女性にかかってきました。
偽警察官
「警視庁捜査2課のオオタニです」
警察官の妻
「捜査2課のオオタニさん」
被害者が身に覚えのない事件の“容疑者”にされる“偽警察官詐欺”。詐欺確定のポイントは、阿比留さんの住所である、長崎の地名を巡るミスでした。
偽警察官
「登録された住所を読み上げるので一緒に確認をお願いします」
「長崎県…は、いいですか?」
警察官の妻
「はい」
偽警察官
「にしかれ…にしかれなん?読みづらいな…。こちら読めないんですけど、ご自宅って長崎県ですか?」
警察官の妻
「はい」
偽警察官
「にしかれ…にしかれ…なんて読むんだろ?にしかれなんとかという住所ですか?●●(地番)って」
偽警察官には西彼杵(にしそのぎ)という地名が読めなかったのです。そこまでのやり取りで、すでに詐欺を見破っていた阿比留さんですが…。
「住所自体(実際のものと)番地は合っていて、そこで『怖い』って初めて思って、知られてるって」
「個人情報はもう漏れてるものとして対応したほうがいい」
知らぬ間に個人情報を握っているのが偽警察官。
偽警察官
「千葉県警察本部刑事部捜査2課ヤグチタカシと申します」
実際のビデオ通話を大阪府警から入手しました。
ビデオで堂々…顔を見せる犯人
続いてのケースは、ビデオ通話で堂々と顔出しする偽警察官です。この犯人は、ビデオごしに偽の警察手帳も提示し…。
「確認が取れたということで取り調べが始まっていきます」
この被害者も、偽警察官から“容疑者”扱いされました。
偽警察官
「あなたに対して令状出てます」
被害者
「ちょっと待ってください、画面を切り替えないと」
偽警察官
「右上のところに右斜め下に矢印向いている四角いボタン。逮捕状っていうのこれ、あなたに対して出ている状況。お名前間違えないね」
被害者
「間違いありません」
被害者に顔をオープンにする“偽警察官”ですが、実はAIで作られた映像の可能性もあるそう。
警察がオンラインで警察手帳を見せたり、逮捕状を送信してきたら、確実に詐欺だということです。
偽市役所職員に注意
最後に、丁寧に話してだます、詐欺師の声をお聞きいただきます。
偽の市役所職員
「私●●市役所健康保険課のカワイと申します。●●様のご自宅でよろしいでしょうか。いつもお世話になっております」
先ほどの偽警察官に比べると、きちんとした口調に聞こえませんか?
偽の市役所職員
「送った書面の内容ですが、平成22年度から27年度までの過去5年間分の累積保険料というものですけど、そちらは見覚えないですか」
女性
「ないです」
偽の市役所職員
「5年間で払いすぎた金額2万3368円お戻ししますという書類をお送りした」
市役所職員っぽい演技にだまされてはいけません。これは、お金が受け取れるなどというウソで被害者をATMに誘導し、実際にはだまし取る“還付金詐欺”です。
あらゆる手口が蔓延(まんえん)する中、来年に予想される詐欺は?
犯罪学が専門
立正大学 小宮信夫教授
「来年はさらにハイテクになる危険性があります」
「ピンポイントでやる場合、その人の友人・先生・取引先などの本物の画像を使って、音声を全く同じように偽造して電話をかけてくる。これは今のインターネットの世界では簡単にできる」
