■ベネズエラは正常に戻れるのか

ベネズエラ 近年の動き
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 いつベネズエラは、正常な状態に戻るのだろう。マリアさんは「選挙は近い将来、行われるだろう。自由で公正であることを期待している。そこで選ばれた政府によって自由が得られる。現政権は、ベネズエラ人から拒否されている」との見方を示す。

 カルロスさんが、故郷へ帰る日は来るのか。「難しい問題だ。理想は、ベネズエラが軍事的な体制から離れ、市民による平和で民主的な国家へ進むことだ。人々が自由に意見を述べ、国民が協力して国を再建できれば、たぶん皆戻ってくるだろうが、なかなかその条件はそろえにくいだろう」。

 坂口氏もスムーズな移行は難しいとして、「2024年の大統領選では、(野党候補の)ゴンザレス氏が正当に圧勝したというデータが出ているが、亡命に追いやられた。ゴンザレス氏が1年遅れで就任するか、それとも新たに選挙をするかになるが、マドゥロ氏が拘束されても、人権弾圧でマドゥロ政権を支えた人々は残っている。地ならしをしてからでないと、民主主義の体制を作れない」と指摘する。

 過去の大統領選は「茶番」だったといい、「2025年のノーベル平和賞を受賞したマチャド氏のような反政府派の主要政治家は、逮捕や公職追放、亡命に追いやられて、選挙に出られなくされている」と解説する。「2024年の大統領選は、国際社会の監視により、初めて透明度の高い選挙ができた。そこでの勝利者がゴンザレス氏だ。同様の選挙をもう一度できればいいが、コストはかかる」。

 SEKAIA株式会社CEO(最高エンパワーメント責任者)の薄井シンシア氏は、「在日ベネズエラ人に意見を聞いて、二極化していると感じた。エリート層は『ベネズエラ人に選ばれたリーダーによる政府を作ってほしい』と言っているが、『プエルトリコと同じ扱いにしてほしい』との意見もあった。プエルトリコには自前の政府があるが、アメリカ領土のため、国民は自由にアメリカへ行ける。そのため、貧困層からは『アメリカの一部になってほしい』という意見もある」と紹介する。

 これに対して、カルロスさんは「よく『一時的なアメリカ占領は良い』とは聞くが、アメリカの一部になるのは極端な意見だ。アメリカではなく、国連や国際社会が手助けして、ベネズエラ人による政府を作った方がいい、という意見の方が多い」と返した。
(『ABEMA Prime』より)
 

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