「女の子に投資するメリットは男の子よりも低い」構造的な問題とは?

【写真・画像】その差140万円!子どもに望む年収にも男女差…「女子に投資するメリットは男子よりも低いと考えてしまう」専門家が指摘する令和も続く“親の思考回路”のワナ 2枚目
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 なぜ、保護者の年収への期待に男子と女子で大きな違いが生じているのか。男女格差の問題に詳しいオランダのフローニンゲン大学・田中世紀助教授は、「出産・子育てで女性はキャリアを中断する可能性が高いと。親の立場から見ると、せっかく頑張って勉強して難関大学に行っていい仕事を務めても、結局辞めてしまうのだから、そこまで頑張らなくていいのではという考えになってもおかしくない。(男女の子どもがいた場合)女の子に投資するメリットは男の子よりも低い…そういう話は可能性の1つとしてはあると思う」と構造的な背景を指摘する。

 番組に出演した慶應義塾大学の中室牧子教授は、約140万円の格差について「現実の賃金格差もこれぐらいなんだと思う」と分析する。

 その背景を「賃金構造基本統計調査など、国の統計を見ても、概ね男性の収入の75%から80%ぐらいしか、女性は稼ぐことができていないことになっていて」と指摘。「なので、10代の方がコメントしていたように、“そう期待している”というより、現実がこうなっているわけなので、その現実に合わせて『これぐらい稼げるのではないか』という風に親は考えている。それを反映しているに過ぎないのではないか」。

 さらに中室氏は、この意識が教育格差に繋がることを危惧し、「将来これぐらいしか稼げないだろうという期待をもとに、今かける教育費をそれに合わせてしまうということなのではないか。教育は将来に対する投資なので、将来これぐらいしか稼げないでしょとなったら、じゃあ男子よりも女子の方が教育費は少なくていいんじゃないという判断になってしまうのが一番問題だと思う」と指摘した。

 では今後、どうすればこの差は縮まっていくのか。中室氏は「様々な情報を提供することで、将来の子どもの学歴や収入に対する期待を上げた研究は結構ある。例えばロールモデルのような人を紹介する。『このような女性がいて、このような職業に就き、こんなに稼いでる人がいます』といったことを見ると、子どもたちが影響を受け、親も影響を受ける」と例を示した。

 更に中室氏は、将来への展望について「時代はどんどん変わっていく。今の40歳はこれぐらい格差があるかもしれないけど、将来、今の子どもたちが40歳になる頃には、社会は大きく変わっていて、これほどの格差は無くなっている可能性もある。そうした将来の姿を統計的な数字で見せてあげると、実は考え方が変わるというような研究もある。きちんとした情報を得られていないから、こうした格差が出てしまう可能性も、あるのではないかと思う」

(『わたしとニュース』より)

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