12日に投票が行われた前橋市長選挙において、部下の既婚男性とホテルで密会していた問題で辞職した小川晶前市長(43)が再選した。小川前市長の勝因についてテレビ朝日社会部の阿部佳南記者に聞いた。
━━小川氏の得票数は62893票、対立候補の丸山彬氏の得票は52706票。それぞれのアピールポイントは?
「小川氏は『実績と覚悟』を打ち出した。市長時代に取り組んでいた子育て支援や幼稚園の無償化・給食無償化といったやり残した公約を実現するとアピールした。一方で、政治経験がない対抗馬の丸山氏は『小川氏の問題によって前橋のイメージが悪化した』と強調。『今回は前橋の誇りを取り戻す戦いなんだ。そのために新しい市長・クリーンな市長が必要なんだ』と前面に出した」
━━2人の勝敗を分けた大きな要因は?
「政策の具体性だ。選挙の中盤において、まだ投票先を決めていない人が一定数いた。実はこれを有利に捉えていたのが小川陣営だった。なぜならこの層は投票先を感情で決めるのではなく、じっくり考えて決めたい人が多いと考えたからだ。他の候補者と見比べると給食の無償化といった具体的な政策を打ち出している小川氏に分がある。市内で話を聞いてみても実際に生活面で経済的に良くなったと実感する人が主婦層や高齢者を中心に多くいた。小川陣営は『その実績に賭けてほしい』とアピールしたのだ」
━━他にも小川陣営はどんな戦略を立てたのか?
「正月休み明けの3連休最終日という厳しい日に投票率を上げることだ。なぜ投票率を上げることが小川陣営の有利につながるのか? 理由は『知名度』だ。前市長であり、報道で目にする機会も多かった小川氏に対し、丸山氏は政治経験もなく人前に出る仕事をしてきていない。小川氏のホテルでの密会に対してよほどの嫌悪感を抱いている人以外には小川氏の高い知名度が後押しとなると陣営側は読んでいた。そして実際、投票率は前回を上回った」

