■脳と心理学から見た「顔」の正体

得する顔・損する顔
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 顔が人に与える影響を研究する中央大学の山口真美教授は、「顔採用」という言葉で一括りにされている現象を、科学的な視点で解体した。「表情と、いわゆる見た目の顔は別物。それを一緒くたにして『顔採用』と呼んでいるが、実はコミュニケーションであって『コミュ力採用』『表情採用』ではないかな」と述べる。

 山口教授によれば、人間には「自分たちの社内の平均的な雰囲気を持った顔」を好んで選んでしまうバイアスがあるという。「採用面接では、面接官が自分たちの基準で、『うちの社風に合うね』と、社内の平均的な雰囲気を持った平均的な顔を、ついつい私たちはそれを好んでしまう。なんとなく自分に似た顔の方が馴染んでいて、それを基準に見てしまっている」。

 番組VTRでは、前職を辞める際に上司から「顔採用だよね」と言われ、傷ついた20代女性の事例も紹介された。本人は努力して合格した自負があったが、「自分の努力がなかったことにされた悔しさとか、顔だけしか取り柄がないっていう風に思われてるのかなって…」と苦悩を明かした。

 これを受けてkelluna.代表・前川裕奈氏は、社会に蔓延する価値観の強制を危惧する。「セルフラブ(自己肯定感)で大事ではあるが、『自分を愛する』ことを実践するのはすごく難しいことでもある。ルッキズムはあってもいいが、自分を愛するためにはルッキズムは最小限化していく必要がある」と訴えた。

 一方で、EXIT兼近大樹は、自身の経験から「見た目のバイアスは絶対にあると認めるしかない」と語る。「職業によっては損をする。僕は最初、損してると思いながら、ずっとお笑いをやっていた。同じボケ、似たようなボケを言っても、僕が言うよりも僕の見た目ではない人が言った方が盛り上がるし、ウケる。『俺の方が面白いこと言ってんのにな』と思いながら生きている時期もあった。見た目のバイアスは絶対ある。それはもう認めるしかないし、では自分はどう生きていくかでしかない」。

 「顔採用」の代替策として、アレン様が解決策として提示したのは「選考側の多様性」だった。「結局、採用担当が男性で縛られちゃうと、自分の好みが入ったりする。だから採用担当を老若男女、いろいろな年代の男性・女性を混ぜたら、好みの顔とかによらない」と提案。この意見には脳科学者・茂木健一郎氏も「多様性が大事。見る側が男性目線だけに縛られるからいけない」と強くしていた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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