寿退社を選択した男性たちのケース

転職サービス「第二新卒エージェントneo」リーベルキャリア事業部 相良亘事業部長
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 転職サービス「第二新卒エージェントneo」リーベルキャリア事業部 相良亘事業部長は「パートナーの方が公務員等で勤務地を変えられないケースもある。(パートナーに合わせての転職は)6:4くらいでまだ女性の方が多いという印象はあるが、それくらいの割合になってきている肌感覚」と現状を話した。

 近年は女性の方が高年収のケースも多く、コロナ禍を境にプライベートを重視する男性が増えてきたことも寿退社男子増加の背景にあるという。

 男性の寿退社にはどのようなケースがあるのだろうか?

 「第二新卒エージェントneo」には「パートナーが神奈川県で教員をしているので神奈川か東京を拠点に仕事をしたい」「結婚でパートナーの持ち家(マンション)がある埼玉県に引っ越すために群馬から転職希望」「妻の仕事が軌道に乗っていて仕事ができる環境を整えたいので寿退社する」などの相談が寄せられているという。

 キャリアの相談サービス「JobQTown」に寄せられたコメントによると、大企業に勤める妻の東京本社への転勤に合わせて夫が仕事を辞めて一旦専業主夫となり、その後残業がない仕事を見つけて妻の仕事を支えているケースもあるという。

 ここまでの話を受けて、ハーバード大学医学部准教授の内田舞氏は「職場では“女性はいつ辞めるかわからない存在”と見なされてきた時代が長く、働く中で『自分の貢献』を証明し続けることが求められていた。国際社会と比べると人材の流動性が低い日本の労働環境の中で、女性は辞めたくないのはもちろん、『辞めたら戻れない』という現実にも多くの方が直面している。一方で、男性は『辞めない前提』で働くことが期待され、その役割から外れる選択自体が見えない時代が長かった。だが、ここまでで聞いた例においては、そのしがらみ・型から外れているカップルや(これまでなかった)男性の選択を聞くことができた。日本社会の労働環境に男女という性別の枠を超えてちょっとした変化を起こしてくれるのではないか」と期待を寄せた。
 

寿退社した妻の転職はかなり買い叩かれる
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