■「自分のために」と割り切ることで見えた新たな価値

甲賀悠衣
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 現実に直面しながらも、隊員たちはそこから独自の価値を見出している。甲賀さんは、1年間の葛藤を経て、ある「諦め」に到達したことで道が開けたという。「1年ぐらい経った時に諦めた。現地のためもそうだが、まず自分のためにやろうと考えたら、そこから活動ができるようになった」。

 この「自分のために」という視点は、現代の協力隊のあり方を考えるヒントになっている。吉田さんは帰国後、協力隊の同期との繋がりを通じて地方創生の仕事に関わることが決まっており、「今回この協力隊での経験も生かしながら活動できたら」と、自身のキャリアにおけるメリットを強調した。

 また、内山氏は経済的なハードルの低さもメリットとして挙げる。「経済的に厳しくても、海外協力隊は国のプログラムなので参加できる。経済的理由で社会貢献や社会活動ができないと日本で苦しんでいた人は、協力隊に参加したら日本政府のプログラムとして、海外で本当にいろいろ経験できる」。実際、派遣中は生活費が支給され、帰国時には「活動完了金」という手当もつくため、帰国後の再出発も支えられている。

 番組では、これまでの「奉仕」というイメージに縛られない、多角的なメリットについても意見が交わされた。EXIT兼近大樹は、スキルアップと自己研鑽の場だと注目。「ボランティアというよりかは、楽しくスキルアップができる、すごくいいもの。自分では行けないところに行ける。ボランティアを超えた何かであるはず」と、個人的な成長の場としての価値を述べた。

 また、yutori代表・ゆとりくんは、SNSでの発信がキャリアに繋がる可能性を指摘する。「(派遣先で)悩んでいる等身大の感情とかも含めた環境があり、そういう訴求があったら、若い子でも行きたいって思うことが結構増える気がする。Vログを撮ってバズって、フォロワーを増やし、一流商社に就職」といった新しい成功モデルを提案した。

 さらに内山氏も、日本の信頼を守るための投資としてのメリットを述べた。「日本を本当に信頼してくれる方が増えれば、日本の製品を買いたいとか、日本に自分の国の資源を売りたいという国もどんどん増えていく。もっともっと多くの方に参加してもらいたい」と、国家レベルのメリットを説いた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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