同世代の俳優に勝てるものはなにか「芝居は勝ち負けではないけど、勝負にこだわっています」

――これまでの作品では、台本にどんなテーマを書いてきましたか。
今年公開される『SAKAMOTO DAYS』では、「芝居は鏡だ」と書いています。
――どういう思いが込められていますか。
鏡って自分を映し出すじゃないですか。お芝居も、役柄を演じているけれど高橋文哉を映す一つの手段だと思っているので、そう書きました。毎回、開くたびに目に飛び込んでくるので、そう思いながら演じられました。
――連続テレビ小説『あんぱん』では、幅広い世代からの知名度が上がったと思います。このときもなにか書いていましたか。
それが何も書いてないです。『あんぱん』は、15歳から60代までの一人の人生を演じているので、一つの言葉を決めるのは違うなと思って。長い人生の中では、いろんな言葉があって、いろんなタイミングで大切な言葉を取捨選択していくので、あえてなにも書きませんでした。
――高橋さんの話を聞いていると、20代前半とは思えないほどの大人っぽさがあるというか、芯があるというか、しっかりしていますね。今のご自身ができあがるまでに、影響を受けたものや、きっかけがありますか。
2人の兄です。学生時代はいつも兄に負けたくないと思って行動していました。兄がバレーボールをやっていたので、自然に僕もやって。でも勝てないからやめて、勝てるものを探したら料理でした。兄に勝てると思ったので、料理はずっと続けています。今もその考え方は変わらなくて、俳優・高橋文哉が周りの同世代の俳優に勝てるものってなんだろうと常に考えています。この人にあって、自分にないもの、逆に、自分にあって、この人にないものはなんだろうとか。とにかく負けたくないっていうのがずっとあります。芝居は、勝負の世界ではありませんが、勝ち負けにこだわっていますね。
――どんな人に負けたくないと思いますか。
例えば北村匠海さん。北村さんは、カッコよくて、尊敬できる部分がたくさんあるからこそ、そこに負けないためにはどうしたらいいんだろう、いや勝てないなとか、行ったり来たりしています(笑)。
――なにをしたら勝てそうですか。
なにをしたら勝てるんですかね。僕にないものをたくさん持っているので。余裕があって、熱量も高くて、変な部分もあって、トータルですごくカッコいいんです。すごく大好きな方で、北村さんに向き合うときには素直であろうと思っています。困ったことや悩みを相談する方です。忙しくても、どうしても北村さんに会いたい!と思うことがあるんです。
――刺激にもリフレッシュにも?
そうですね。聞きたいことを絶対に持っていきます。この前は、北村さんが出ている映画を見て、質問をたくさん持って会いに行きました。
――ステキな関係ですね。高橋さんは今年25歳という節目の年齢を迎えられますが、なにか目標はありますか。
2025年は地面を踏んだなと思っています。土って踏むと固くなるじゃないですか。そんな1年だったなと感じています。今年は、固くなった地面を踏み込んで飛べるようにしたいです。だいたい来年の作品やスケジュールは見えているので、一つ一つを大事にして、ステップアップしていけるように頑張りたいです。
――高橋さんは、言葉選びが上手ですね。
最初の頃、舞台挨拶のときにどう話したらいいのかがわからなくて。先輩や話すのが上手な同世代の舞台挨拶を見たり、インタビューをたくさん読みました。それで、勉強しました。
――『クスノキの番人』の舞台挨拶がめちゃくちゃ楽しみになりました!もっとお話を聞きたいのに、お時間がきてしまいました(涙)。映画も25歳の高橋さんのますますのご活躍も楽しみにしています。ありがとうございました!
取材・文:氏家裕子
写真:藤木裕之

『クスノキの番人』
1月30日(金)全国公開
【CAST】
高橋文哉/天海祐希
齋藤飛鳥 宮世琉弥/大沢たかお
【STAFF】
原作:東野圭吾「クスノキの番人」(実業之日本社文庫刊)
監督:伊藤智彦
脚本:岸本卓
キャラクターデザイン:山口つばさ 板垣彰子
音楽:菅野祐悟
美術監督:滝口比呂志
美術設定:末武康光
色彩設計:橋本 賢
衣装デザイン:高橋 毅
CGディレクター:塚本倫基
撮影監督:佐藤哲平
編集:西山 茂
スーパーヴァイジングサウンドエディター:勝俣まさとし
リレコーディングミキサー:藤島敬弘
制作:A-1 Pictures / Psyde Kick Studio
配給:アニプレックス
【主題歌】
Uru「傍らに月夜」
作詞・作曲:清水依与吏
編曲:back number
(c)東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会
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