2月の衆院選を前に、各党が様々な政策を打ち出しているが、これらの中には「右翼らしい政策」や「左翼らしい政策」はあるのか? 國學院大學の山本健太郎教授に聞いた。
そもそも、右翼・左翼とは何か?
山本教授は、右側(保守)と左側(リベラル)が「大切にするべきと考えていること」については「保守(右側)には昔からの伝統を大事にしていくという考え方があり、革新(左側)は社会をより良く変えていくことに力を置く。もう一つ大事なのは、『国家と個人』について考えた時に、保守(右側)は国家が先にあり、人よりも国家。対して革新・リベラル(左側)は個人があってこその国家だと考えている」と説明。
ここからは各政策や主張・方向性について、右側と左側の“どちららしい政策”か、山本教授に聞いていく。
1:選択的夫婦別姓
「これは左派(リベラル)側が好んで主張する政策の一つだ。選択的夫婦別姓は結婚時に夫婦が別姓を選ぶことができる制度だ。右派(保守)の人たちは『家族』という単位をすごく大切にするので、個人の選択よりも家族で同じ姓を名乗る(称する)ことを大事に考える。対して、左派(リベラル)の人たちは個人を大切にするので、選択的夫婦別姓を推進する立場をとる」
2:防衛増税
「右派の人たちは、自衛隊の役割を少し大きくしていく、あるいは自分の国は自分で守ろうという意識が強い人たちが多い。そのため、防衛増税を進めて、国の強さを確保していこうという考え方を取る」
3:非核三原則堅持
「非核三原則という形で核兵器を持たないことに力点を置くのは、どちらかというと左派の主張だ。やはり日本は唯一の被爆国であり、国民の中にも核兵器をタブー視する傾向は強い。だからといって保守派(右側)は核を持ちたいというわけではない。保守派(右側)の人たちはどちらかというと、今日本がアメリカの核の傘の中に入っていて、核兵器の体制の中で守られていること、日本が独自に核を持つことはアメリカとの関係上難しいことは理解している。しかし、その上で例えば『持ち込ませず』といった非核三原則の部分については、若干、実態に合わせる形の変化を考えた方がいいのでは、という意見もある」
4:移民抑制
「これはどちらかというと保守(右側)が主張することが多い。保守(右側)の人たちは、日本の旧来の伝統を重んじる。そのため、外国の人が今のようにインバウンドも含めて入ってきて、日本のやり方やマナーが侵されることをすごく嫌がる」
5:賃上げ
「どちらかというと左側だ。左寄りの政党は、労働者やいわゆる社会的に弱い立場の人たちを主なターゲットにした政策を掲げやすい傾向がある。一方で、右寄りの政治家はざっくり言えば経営者の側に立つことが多いが、経営者たちは賃上げを望まないことが多い。ただし、現在のような物価高の状況で『賃上げはしなくてよい』と主張してしまうと、有権者は大きな不満や不安を抱えることになる。そのため、右側の政党であっても『賃上げは必要だ』と主張するケースがある。こうした事情を踏まえると、はっきり左・右と区別して述べるのは難しい。有権者からするとどの政党に票を入れたらどういう結果が待っているのかはっきり分かることが望ましいが、例えばどの政党が物価高に直接作用するような良い政策を訴えているのか分かりにくい現状がある。そのため、候補者にしても政党にしても、できるだけ分かりやすく自分たちの主張を有権者に伝える努力を選挙戦で繰り広げてほしい」
(ニュース企画/ABEMA)

