——そのシーンではハサウェイは動揺することなく指摘していましたが、『キルケーの魔女』ではギギと離れたあと、その肉欲に囚われてしまって苦悩するさまが描かれているのが、対比として面白いなと。
澤野:僕もハサウェイが一緒の部屋にいるのだから、着替えるなら多少気をつけるだろって思っていましたね(笑)。なんだろう、キャラクターに感情移入したり分析したりという見方ではなく、もっと大枠で見てしまっているところがありますね。
——それは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を初めてご覧になったときもですか?
澤野:この時代にこういう描き方をしているのだという面白さを感じつつ、ガンダムシリーズならではの表現に対して、客観的というか距離を持って見ている部分もありました。ただ、シャアのことをみんな好きになるということもわかるなと、そういうことを感じながら見ていました。ガンダムシリーズに限らず、どのアニメや映画でもそういう見方をしているかもしれないですね。
すごくキャラクターに対して深掘りしていくというよりも、シーンに対してここで描かれていることは何なのだろうかと考えていくことはあるのかな、と思いますね。
——『閃光のハサウェイ』の音楽はシーンに対するアプローチで制作されたとお聞きしましたが、作品を見るときも作品に対して音楽を作るときも、シーンで描かれるものに注目されているということでしょうか?
澤野:うーん、どうでしょう。僕は音楽を作る際は、作品の持っているエンターテインメント性を音でより押し出せたらいいなという思いが強いんですよ。映像と音楽がマッチすることで、泣けるシーンであればより泣けるようにオーバーなメロディを付けてみたり。盛り上がるシーンにはエピックで太鼓が鳴っているような音楽が鳴っていると、より躍動感を体感してもらえるかな、とか。
——音楽による盛り上げという点では、澤野さんが初めてガンダムシリーズで音楽を手がけられた『機動戦士ガンダムUC』で、ユニコーンガンダムが発進するシーンでかかる「UNICORN」は、音楽と映像が一体となった高揚感が本当に素晴らしかったです。
澤野:本当ですか、ありがとうございます(笑)。
——「83UeI」や「G1×2」に関しても、シーンに合った楽曲だと感じましたので、『キルケーの魔女』でも音楽に注目しながら鑑賞したいと思っています。
澤野氏の、音楽制作におけるアプローチの一端を垣間見ることができたのではないだろうか。2026年1月30日から公開中の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』にて、どのようにシーンに寄り添った音楽がかけられているのか、注目してほしい。
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取材・撮影・テキスト/kato
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