東海道五十三次にも描かれた川が“瀬切れ” でも下流には水が…なぜ?
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 東京と神奈川の県境を流れる川にも渇水の影響が出ています。川の水がなくなる「瀬切れ」の現場に行くと、なぜかその下流には水がありました。謎現象の理由を取材しました。

【画像】東海道五十三次に描かれた、橋のかかる川

浮世絵にも描かれた川で異変

瀬切れ
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 住民も驚きを隠せない異常事態。かつてない瀬切れとなっていました。

 水もなく干上がり、ハトも川底を散歩。ここは東京都と神奈川県の県境を流れる「境川」です。神奈川県北部に位置する城山湖を水源とし、相模湾まで流れる全長およそ52キロの川となっています。

瀬切れを発見した場所
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 取材班はこの場所で、瀬切れを発見しました。

 相模原市のおよそ4カ月の雨量は46.0ミリと、過去最低を記録。通常水位のある川も、雨不足によって川底があらわになっていました。

近隣住民(90代)
「とにかく今年は雨が少ない。困ります。白鷺(しらさぎ)とかも飛んできてこの辺で遊ぶが、白鷺も来ない。水がないから」

 境川をよく知る住民も驚きを隠せません。

近隣住民(80代)
「2カ月くらい前まではあった。それが毎日少なくなってきて。堤防工事もずっとやっていて。今度は水がなくなった。きれいに作ったが(水がなく)、ほとんど用をなしていない」

 ただ、こんな情報も…。

「あそこまで行くと堰(せき)がある。そこまでは、水が流れてきている」

150メートル離れた場所で水が途絶えていた
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 情報を頼りに取材班が上流を目指すと、先ほどの現場からおよそ150メートル離れた場所で水が途絶え、瀬切れが始まっていました。

近隣住民(80代)
「上は水がある。そこの橋からずっと水がない」

 境川を管理する担当者に話を聞いてみると…。

神奈川県 津久井治水センター 大塚卓哉工務課長
「先週辺りから『水が流れていないけど』と地元の人から連絡が入るようになった。歴史的には古い川」

相模国と武蔵国の境界だったことからその名がついたという
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 東海道五十三次に描かれた、橋のかかる川。藤澤浮世絵館などによると、これが当時の境川だといいます。相模国と武蔵国の境界だったことからその名がつき、江戸時代の地図にも国の境としてしっかりと描かれている歴史のある川です。

 過去にも洪水などによる被害がありましたが、水不足は非常に珍しいということです。

大塚工務課長
「境川は上流にダムがあるわけではないので。流量、水の流れをコントロールする機能はないので雨に頼るしかない」

 上流で突如途絶えた水の流れ。では下流はどうなっているのでしょうか?

 川の水を確認、さらに先に進んでみると…先ほどの上流からおよそ1.5キロ先では川に水が…。

上流からおよそ1.5キロ先では川に水が…
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近隣住民(80代)
「そこの水たまりを過ぎると、また向こうも乾いている。たまったり、乾いたり、たまったり」

 町の人も首を傾げる驚きの光景。一体、なぜ。

近隣住民(80代)
「2カ所(水が)たまっていないから、どうしてああいう現象が起こるのかな」

近隣住民(80代)
「吸い込まれていっちゃう、川底に」

なぜ?消えた水が下流で復活

 なぜ、再び川の水が流れ出したのでしょうか。

大塚工務課長
「工事で根固めブロックを敷いたことで、その下の層を流れてきた水が出てくる。伏流しているのかなと。地層の境目で下にもぐって表に出てくるのが伏流水」

伏流水か
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 通常、川の水は地表を流れていきますが、連日の雨不足によって瀬切れとなりました。ただ、一部の水は地中に浸透し、その後再び湧出(ゆうしゅつ)する「伏流水」によって、下流で再び流れているのではと推測します。

大塚工務課長
「そもそもここまで(水が)ないとは思っていなかった。これだけ変化点があるのは分からなかった」

 一方で、懸念もあります。

大塚工務課長
「生物の生息環境としては、干上がっていると良くないので、早めに上に水が流れる川に戻ったほうが良い」

近隣住民(80代)
「生き物だって水がなくなって、水がないとコイだって何だって、魚がみんな死んじゃうから。かわいそう」

近隣住民(80代)
「カワウが魚をとって、コイはいつも泳いでいるが、そのうちコイがどこに行っちゃうんだろう」

 周辺では、25日は朝から雨が降り続く予想で今年一番のまとまった雨も期待できそうです。

(2026年2月24日放送分より)

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