■アメリカも想定しなかった“暴走大統領”
なぜ、これほどまでに問題視される人物が大統領として君臨し続けられるのか。近畿大学 情報学研究所・所長の夏野剛氏は、この現状を「アメリカの民主主義制度そのものが、トランプ氏のような人物が現れることを想定していなかった」と分析する。夏野氏は、アメリカの大統領制度に埋めこまれた「前提条件」についてこう推察する。
「どんなにひどい政治家でも最低限、民主主義に対するコミットメントや、あるいは一定の倫理観、『ステイツマン』としての資質みたいなものは持っているはずだ、というある意味での”性善説”に基づいた仕組みだと思う。ところがトランプの場合は、そういうものを一切無視して、自分の支持層だけにウケることを言い、かつ自分の利益のために平気で嘘をついたり、制度を悪用したりする。こういう人が大統領になるということを、アメリカの仕組み自体が想定して作られていない。だから今、止めることができずに暴走しているように見える」。
“性善説”と表現した前提はもう崩れているが、仕組みの再構築はまだ追いついてない。「良識があることが前提だから、大統領にすごく強い権限がある。例えば任期中に起こったことについては、あまり責任を持たなくていいなど。ちゃんとした人がなる前提だったが、今はトランプ氏がそれを全部悪用して、やりたいことをめちゃくちゃにやっている」。
夏野氏は今後、さらに好き放題になっていく可能性も指摘する。
「あの人はキング・オブ・キングダム。そのやり方で、大統領になって2期目でもう80歳。もう後のことは関係ないから、やりたいようにやっている。私はトランプ氏の後、共和党でも民主党でも、例えこういう人が大統領になっても、”勝手にやってはいけない”とするための色々なレギュレーションや法案がたくさん出されると思う」と話した。
(『ABEMA Prime』より)

