■「大人になって活躍しなかったら意味がない」中室氏が指摘
この状況について、中室氏は「受験はいい面も悪い面も両方ある。親も含めて子どもたちが一生懸命勉強しなければいけない、インセンティブになっていることは悪いことではないと思う。一方で、本来あるべき人的資本への投資を歪めてしまっているのではないか。教育は国語、算数、理科、社会の学力だけが高ければいいものでもない」と指摘する。
続けて、学力への過剰な投資に警鐘を鳴らす。
「私たちは大人になった時に、教育によって積み上げた人的資本を使って労働するなり、あるいは家族を形成するなりして、その能力を使っていくわけだが、大人になって必要とする能力は、当然学力だけではない。人格も、体力も、いろいろなことが大切だ。そういうことを培う非常に重要な時期に、勉強という非常に限られた能力だけに過剰に投資してしまっているのではないかという点で、この受験に対して非常に強い疑問を持っている」
「小学校6年生の時にどんなに勉強ができたとしても、大人になって活躍していなかったら意味がない。長い目でどういう教育が役に立つのかをよく考えないといけない」
「海外のデータを使って行われた研究ではあるが、偏差値の高い名門校に合格したからといってその後の収入が高くなるわけではないことが示されている。果たして受験にそこまで高い費用対効果があるのかどうか」
教育費の支出は「エルメスのバッグ」と同じ現象?
