HJ文庫(ホビージャパン刊)より刊行され、「HJ小説大賞2020年間最優秀賞」を受賞した『灰原くんの強くて青春ニューゲーム』(著・雨宮和希)が、2026年4月よりTVアニメ化され放送中だ。
本作は、かつて高校デビューに失敗して灰色の青春時代を過ごした冴えない青年・灰原夏希が、就職を目前に控えた大学4年生から高校入学前に突然タイムリープしたところから物語が始まる。
タイトル通り、高校生活をやり直して青春を虹色にするべく「虹色青春計画」を始動して、高校入学までの間に肉体改造をする。心機一転、クラスカースト最上位のグループや片思いしていた美少女・星宮陽花里とも同じグループになり友人関係を築いていくが、憧れの高校生活には新たな問題が発生していく——というさまが、高校生の等身大の悩みや葛藤を通じて描かれる。
本作で主人公の灰原夏希を演じるのは、声優の上村祐翔だ。灰色の青春時代を過ごしてしまった灰原ではあるが、ひたむきに肉体改造に打ち込みひとりカラオケで歌を練習するなどストイックな一面を持つ。自らの努力で得た能力と、タイムリープして持ち越した以前の生活の経験を活かして青春をやり直すというのが、本作のキーポイントになる。
実際に中学・高校の教員免許を持っている上村に、教師として灰原を客観視したらどのような生徒に映るのかという質問をインタビューで投げかけてみた。
「やっぱりすごく優等生に映るのだろうとは思いますね」と前置きしつつ「客観的に見たときは完璧に映るのかなと思うのですが、演じて思ったこととしては、彼は決して完璧になろうとしているわけではないというか、そうなれたらいいなというつもりでやっていった結果、はたから見たら完璧に見えるという状態になっているんですよね」と答えてくれた。
続けて「完璧って自分で決めることではなくて、人からの評価なのだなと思いました。灰原自身が自分の弱さと向き合った結果だと思うのですが、視点を変えると見え方も変わりますね。教師という立場から見たら、彼はどうしてそこまで頑張れるのかという裏側を知りたくなると思います」とコメント。
実際、物語中では灰原の友人となった凪浦竜也が、灰原の振る舞いを通じて自身の不甲斐なさに葛藤するというシーンも描かれる。灰原自身が努力して変わって青春をやり直した結果、彼を取り巻く人々の気持ちも変わっていくところが、本作の面白いところだ。
「違う景色が見てみたいですし」
