——非常に納得できる理由でした。
雨宮:麻美さんは……麻美さんを演じている時のあおさん(悠木碧)がとても楽しそうなので(笑)。ああやって他人を動揺させて楽しむみたいな、いわゆる悪役っぽいキャラをそんなに演じる機会がないのもあって、絶対に楽しいんだろうなあと思うのですが……でも麻美さんは、ちょっと私にはまだ経験値不足で演じられる気がしないというところもありますね。
——雨宮さんであればこなせるのではとも思うのですが、確かに悠木さんの演技には感銘を覚えています。原作を読んで想像していた演技を、さらに超越してくるというか。
雨宮:私は1人のキャラクターを演じるにあたって、声のトーンの共通性などを結構気にしてしまうのですが、あおさんが演じる麻美さんって、すごくいろんなトーンを使うじゃないですか。
私が原作を読んでいた段階では、あんなにいろんなトーンで喋るようには聞こえてきてなかったのですが、その自由度の高さをもって、ひたすら怖い、嫌な女をやるっていうところが、アニメの麻美さんの“強さ”に繋がっているのかなと。私はまだちょっと、そこまで振り切って演じられる経験値も度胸もないので、あおさんのお芝居からいつも学ばせていただいています。
——すごく刺激のある現場なのですね。
雨宮:はい、間違いなく!
雨宮が提示してくれた“合理的”“責任感”という千鶴を表すワードが、『かのかり』5期で描かれるエピソードでは特に強く感じられる。長年にわたり演じてきた円熟さを持ちつつも、今なお共演者から吸収できるものを探そうとする雨宮の演技を、ぜひ『かのかり』の千鶴で感じてほしい。
テキスト/桜森柚木
(C) 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会2026


