■「終わりに近い」トランプ大統領の焦りとアメリカの国内事情
「終わりに近いと思います。限りなく近いはずです。彼らはなんとしても合意したがっているはずです」(トランプ大統領)
テレビのインタビューで、イランへの攻撃は「終結間近だ」と発言したトランプ大統領。ホワイトハウスのレビット報道官は、「(再協議について)前回と同じ場所(イスラマバード)で行われる可能性が非常に高いだろう」と語った。
その一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、ホロコーストの犠牲者の追悼式典でイランへの強硬姿勢を改めて強調した。「イランの核兵器開発を決して許さない。そしてホロコーストを2度と起こさせない。この約束を果たし、イランの恐怖政治体制に最大の打撃を与えた」。
レバノンの親イラン武装組織ヒズボラをめぐっては、イスラエルとレバノンがアメリカの仲介で協議したが、レバノン側は停戦を訴える一方、イスラエル側はヒズボラの武装解除を求めていて隔たりはなお大きいままだ。戦闘終結への道筋は依然として不透明だ。
こうした状況を踏まえ、三牧氏は「アメリカ国内は『もう戦争をやめてほしい』という世論がいよいよ強まっている。開戦当初も3割か4割の支持率で、アメリカの歴代の政権がやってきたイラク戦争やベトナム戦争、開戦当初の支持率としてはそれらと比べて非常に低い。さらに今回はホルムズ海峡が封鎖されたことで原油価格が上がって、ガソリン価格が上がった。3月の終わりには1ガロン4ドルという極めて高い水準に到達して、まだ上がっている。アメリカの人たちもここまで長期化して生活にも影響が出ていて、早くこの停戦交渉をまとめてほしいというのが大半の意見で、トランプ大統領としても『終わりますよ』と言わざるを得ない状況だ」。
さらに、トランプ大統領のイラン核合意に関する姿勢は、オバマ政権下での核合意(JCPOA)への強いこだわりと批判に基づいているとみる。
「トランプ大統領1期目の時に、オバマ政権時代にまとめた核合意は『これでは不十分だ』と一方的に離脱した。今日の問題の1つの根本は、この1期目の離脱。トランプ大統領としては、離脱して、今回イランと戦争までしたので、オバマ大統領がまとめたものよりも厳しい条件をイランに突きつけなきゃいけない。例えば、オバマ元大統領の合意ではウラン濃縮を3.67%認めるというもの。トランプ大統領が今までかなり『ゼロ濃縮』にこだわっていたのは、オバマ時代より厳しい条件を突きつけなきゃいけないというのがあったと思う」(三牧氏、以下同)
「ただ、今の停戦交渉へという中で、このウラン濃縮に関してはアメリカ側も譲歩する姿勢を見せ始めている。ウラン濃縮を何年禁止するかに関して、今までは『永久だ』と言っていたのが、年数を決めてという形に。今この年数に関してイランとアメリカで折り合いがついていないが、すぐ決裂してしまった1回目の交渉よりは、イラン側もアメリカ側も国内では『もうやめたい』という機運もあるので、具体的な数字を出して折り合いをつけようとする姿勢が見えてきている」
不透明感が増す“逆封鎖”にアメリカ国民は「乗れていない」
