■不透明感が増す“逆封鎖”にアメリカ国民は「乗れていない」
アメリカ側はホルムズ海峡の“逆封鎖”を行っているが、アメリカ国内の反応はどうなのだろうか。
「イランは石油を売ることによって戦費を稼いでいて、その石油の大部分は中国に行っている。アメリカ政府はイランを封じ込めて、さらには中国にも打撃を与えるという形で説明している。ただ、イランによる封鎖、それにアメリカの封鎖も加わって、いつ海峡の正常化に向けた機雷の掃海等ができるのか、ますます不透明感が増して、我々日本も含む世界、さらにアメリカ国民も、このアメリカの“逆封鎖”という行動にはそんなに乗れていない。これで本当にイランが譲歩するのだろうかと。むしろますます強硬になって、あらゆる手段を使って海峡を封鎖するみたいな行動に出かねない。イランも大変なダメージだが、防衛戦争で引くところがないので、イランをむしろ強硬にしてしまう懸念等も国内では指摘されている」
では、次の協議で状況が打開できるのだろうか。「トランプ大統領としてはウラン濃縮・核開発問題と、ホルムズ海峡の問題の2つが非常に重大な案件。ホルムズ海峡に関しては、イランは今、通行料をとって支配権を維持したいと言っているが、やはり軍事的にはアメリカとイスラエルが圧倒している。ホルムズ海峡を解放する、できるだけ戦前の状況に戻すというところで、イランがこの点譲歩してくれれば(という状況)。アメリカとイランは双方ともに国民が『(戦闘を)もうやめたい』という世論もあって、アメリカの方はとりわけ中間選挙の年でもあるので、世論を聞かなきゃいけない。アメリカ側も譲歩する余地はあるので、うまく核開発の問題とホルムズ海峡の問題で折り合えるといいなと思う」
2回目の協議に向けて、アメリカもイランも合意をしたいという思いはあるようだ。
「アメリカは2000年代に中東の軍事介入をして失敗した。あの時はアメリカの軍事力で中東を思い通りに変えていくんだという世論が強かったが、トランプ大統領自身も無駄な中東への介入にお金を使わない、国内の製造業を立て直すために国内にお金を使いますと、それが非常に支持されて再び大統領になった人。中東への軍事介入ではなく国内問題に注力する、それを期待している有権者、いわゆる岩盤支持層MAGAだけでなく、無党派も含め国民が広く期待していた。そのトランプ大統領が2000年代のネオコンみたいな無謀な中東の介入をしていることに対して、国民世論として介入疲れがある」
「トランプ大統領も今年11月に中間選挙がある。こんな風にズルズルと戦争を続けて、ガソリン価格も高騰し続けたままではかなり厳しい戦いになるので、やはりイランとどこかで折り合いをつけないといけない、その兆しみたいなものは少し見えてきていると思う」
(『わたしとニュース』より)
この記事の画像一覧
