27日の参院予算委員会で、自民党の三原じゅん子議員が、HPVワクチンの男性への定期接種化を要望した。
【映像】「G7で日本のみ」三原氏が迫るHPVワクチン男性接種
三原議員は「20代から罹患する可能性がある子宮頸がんは、我が国において毎年約1万人が新たに罹患され、約3000人もの命が失われている深刻な病気です。その主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐのがHPVワクチンです」と述べた。
続けて「日本では2013年4月に小学6年生から高校1年生の女子を対象に定期接種が始まりましたが、接種後の体調不良を訴える声が相次いだことを受けて、開始からわずか2か月後の同年6月、厚生労働省は積極的勧奨を差し控える判断を下しました。これにより接種率は一時70%以上あったものが1%未満にまで激減しました。そこで私は自民党内にHPVワクチン積極的勧奨再開を目指す議員連盟を立ち上げ、科学的エビデンスに基づいてワクチンの安全性と有効性を丁寧に訴え続けてきました。その結果、2022年4月に約9年ぶりに積極的勧奨が再開され、接種の機会を逃した方々へのキャッチアップ接種も実現。現在、女子の接種率は着実に回復しつつあります」と女性への接種の経緯と現状を説明した。
その上で「HPVは女性だけの問題ではありません。男性も感染し、中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどのがんや病気を発症するので、それらを防ぐこともできます。また、男性が接種することでパートナーである女性への感染を防ぐ大きな効果も期待できます。つまり、男女ともにワクチンを接種することで初めて、社会全体としてHPV関連のがんなどを大きく減らすことができるのです。現在、薬事上は男性にも接種が認められていますが、定期接種の対象は女子のみとなっています」と男性への接種の必要性を訴えた。
さらに「世界ではWHOが推奨する男性への定期接種を80を超える国々が導入しています。G7各国の中で導入していないのは日本だけです。また東アジアでは、台湾では昨年から、韓国では今年から、インドネシアでは来年から導入される予定と聞いています。しかし我が国では、何度も要請していますが、厚生労働省の審議会であるワクチン評価に関する小委員会では、残念ながら昨年9月以降、半年以上審議が行われていません。多くの専門家や当事者である男性からも、1日も早い定期接種化の実現が求められています。大臣、男性への定期接種化の時期の目標、そしてそのための今後の具体的なスケジュールをお示しいただけないでしょうか」と他国との比較を挙げ、上野厚生労働大臣に質問した。
上野厚生労働大臣は「男性に対するHPVワクチンの定期接種化につきましては、現在厚生労働省の審議会で議論を継続しております。すでに肛門がんの対象疾病として承認されておりますが、定期接種化の観点では女性と比べて対象の範囲が限定的であることなどから、費用対効果に課題があるとの指摘を受けているところであります。審議会では最新のエビデンスや信頼性の高いデータについて引き続き情報収集を行うこととされておりますので、今後の具体的な議論のスケジュールや定期接種化の時期について、現段階で申し上げることは難しいわけでございますが、定期接種化に向けて必要な検討をしっかり進めさせていただきたいと考えています」と述べるにとどめた。(ABEMA NEWS)
この記事の画像一覧
