27日の参議院予算委員会で、共産党の山添拓議員が憲法9条改正について高市早苗総理に質問した。
山添氏は12日に行われた自民党大会で高市早苗総理が「どのような国をつくりあげたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法」と述べたことを取り上げ「立憲主義の憲法は単に国の姿はこうだと示すものではありません。権力を制限し、それによって個人の自由、基本的人権を保障するためのものです」と主張。そのうえで「立憲主義について総理の認識を伺います」と質問した。
これに対して高市総理は「立憲主義とは、主権者たる国民がその意思に基づき憲法において国家権力の行使のあり方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方であり、日本国憲法も同様の考え方に立って制定されたものだと考えております」と述べた。
山添氏は「その立憲主義の基本認識が自民党大会や施政方針演説の総理ご自身の言葉からは伺えないから今、聞いております。自由と権利を保障するために国民が権力を縛り、やるべきことと、やってはならないことを命じるのが憲法です。従って、時の権力者が自らの夢や理想を掲げるためのものではありません。日本国憲法による権力の拘束の最たるものが憲法9条です」と返し、憲法9条について主張を展開。
「戦争放棄と戦力の不保持、交戦権の否認、憲法がこれだけ恒久平和主義を徹底したのは言うまでもありませんが、戦争の反省からです。憲法前文は政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意したと。2度と戦争国家にならないという決意を表明しています。そして9条1項は、日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求するとして戦争放棄の動機を明らかにしています。国連憲章が掲げる戦争のない世界のために日本が世界に先駆けて踏み出す決意を示したものです」と述べ「総理は先般、武器輸出の全面解禁を決めた当日の会見で『戦後80年以上にわたって日本は平和国家として歩んでまいりました』と述べました。この総理がいう平和国家とはつまり憲法9条に基づく平和国家という意味ですね」とただした。
これに高市総理は「もちろん憲法9条にも基づいております。我が国が大切にしてきたのが平和国家という理念でございます」と述べた。
山添氏は、安倍政権の時代には平和国家の根拠を憲法ではなく、国連憲章を順守するという言い方に変えていたとして「今、総理が平和国家としての歩みは憲法9条に基づくものだと明言なさったのは、とても大事な答弁だと思います」と評価したうえで「そう断言されるならこの先も9条に基づく平和国家としての歩みを堅持なさいますね」と質問した。
高市総理は「立憲主義にのっとった政治を行うというのが当然で国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本原則とする憲法のもとでしっかり国民の皆様の命と平和な暮らしを守ってまいります」などと述べた。
山添氏が「9条に基づく平和国家としての歩みを堅持し続けるということであれば9条を変えようなどというのはもってのほかではありませんか」と詰めると、高市総理は「現行憲法の中に憲法を改正するための条文が含まれております。憲法の定める改正手続きによる憲法改正について、検討したり主張するということは制約をされておりません」と回答した。
山添氏は「私はその総理が自民党大会で『時は来た』などと言って改憲を煽っている姿勢を問題にしております」と指摘し、「(平和国家としての)歩みを今後も堅持すると言いながら、その根幹である9条を変えようとしているのが総理と自民党であります」と述べた。
そして「9条は戦後絶えず傷つけられてきましたが、それでも一貫して平和国家としての日本の礎となり、9条からの逸脱を図る政治を常に制約してきました。それは立憲主義のゆえであり、何より日本とアジアにおびただしい犠牲をもたらした戦争の記憶と反省が多くの国民に共有されてきたからです。その9条の意義と果たしてきた役割を自覚されるなら、やはり9条改憲をやるなど許されません」と訴えた。
最後に「今、国会前で、全国で何万人もの人々が戦争反対、9条を守れと訴えています。その声を聞かずに改憲ありきで戦争する国へひた走る政治から、憲法を守り生かす政治への転換こそ求められることを強調して質問を終わります」と述べた。(ABEMA NEWS)
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