——確かに、第1話では子どもが苦手という描写もされており、中学生の姿になって中学校に通うことに、最初は大いに戸惑っていましたよね。
三瓶:やっぱりイキイキとしていまを生きている子どもたちと比べて一歩引いている部分であったり、大人としての疲れた感じであったり、落ち着きのあるテンション感などは、十三を演じるときに表に出てくると言いますか。
そこが十三らしさを作っている要素になっていくのかなと思いながら演じていますね。世界一の殺し屋だけれども、本人はそのことにプライドを持っているわけではなくて、バツイチだし子どもとも離れて暮らしていて俺の人生つまんねーなっていうところから、中学校に潜入しなくてはいけなくて。
——改めて言葉にしてみるとすごいメリハリですよね(笑)。
三瓶:さらに中学生にもみくちゃにされていって(笑)。そこで哀愁とは違う不憫さみたいなものも描かれて、世界一の殺し屋だけれどもSNSに全然付いていけないおじさんなんだと急に身近に感じられるようになって、そのギャップや可愛らしさをすごく感じています。殺し屋としてのアクションのカッコよさと中学生に勝てない部分があるというギャップが個人的にすごく面白いなと。
——『キルアオ』はアクションもあればコメディもある作品で、十三は状況によってボケもすればツッコミもするキャラですよね。中学生を相手にしつつ、刺客たちとも対峙する。演じる上での振り幅も非常に大きくなったのかなと思うのですが……
三瓶:(即答して)大変でした!
一同:(笑)
三瓶:それこそ第1話のときは、さっきまで大人でプロの殺し屋としてハードボイルド感がめちゃくちゃ出ていたのに、中学生感を出しすぎてしまうと、ただわちゃわちゃとしているだけになってしまうので、どれだけその感じを出していいのかと……。
——先ほどおっしゃっていた、十三らしさにも繋がる部分ですね。
三瓶:あと、十三が独特だなと思うことは、何かしらの出来事に対してちょっと距離を取ると言いますか。たとえばノレンに対してもラブコメが始まりそうなことが起こっても、ラーメンに夢中だったり、そういうこともあるよねとちょっと達観した感想を抱いたり。
その距離感が面白くもあるのですが、どのくらい乗っていいのか、乗らないほうがいいのかということは、アフレコ現場でもディレクションを受けながら話し合って作っていきました。
——十三含め『キルアオ』は多角的な魅力があるキャラクターが多いので、絶妙な塩梅が求められますよね。
三瓶:はい。やっぱり見ている方に面白く見えてほしいのですが、キャラクターから離れすぎないようにしないといけないので、すごく難しいですね。
——勉強の面白さに気づいて泣き出しちゃうところもあれば、クラスのグループSNSに付いていけないという描写もあって、第1話では十三のカッコいい部分と面白い部分の両方が見られたと思います。
三瓶:そうですね。でも、まわりの中学生は勉強に対してテンションが低いけれど十三は異様に高いとか、ちょっと人と相容れないみたいなところも大いにあると思います。
中学校での任務に挑む十三が、困難に立ち向かいつつ新たな発見をしていくさまを、放送中のTVアニメ『キルアオ』の中でぜひ目にしてほしい。
取材・テキスト/kato
(C) 藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会

