■政治観が「アイデンティティ」となる背景
なぜ政治の話は、これほどまでに関係を壊すのか。政治心理学が専門の秦正樹准教授は、政治に興味を持つとそれが「アイデンティティ」化しやすいと分析する。「(支持政党の)メンバーになると、自分のバックに何万人とか何百万人の味方がいる気持ちになる。さらに、その中の1人であることに誇りを感じたりする」ため、政治的意見への否定が人格否定のように受け取られるのだという。「かなりアイデンティティに近いものになって、心理学でいう『態度』ではなく、自分のプロフィールみたいなものになる。自分のプロフィールを汚されるとなれば、夫婦関係はやっていけないという話になる」。
また、日本特有の「話し合いの不在」も一因だという。「そもそも(日本社会で)話し合いの仕方を、私たち自身も学んできていない」と指摘した。
出演者からは、SNSが家庭内の分断を加速させているとの指摘が相次いだ。研究者・山内萌氏からは「SNSで使われる語彙を用いて、SNS上で起きている分断を家庭内で再現しているように見える」という意見が出た。
またEXIT・兼近大樹は「今の人たちは同じものばかり見ている。会話の中で『こんな政治思想を持っています』という話題が出た時に、何を見ていたかお互いに興味を持って話し合えば(衝突は)緩和されていくはず」と述べた。
相方のりんたろー。からは「政治に関して考えが明らかに違いすぎるから『うちでは政治のことを話すのはやめようね』とはならないのか」と質問が飛んだ。
これに小泉さんは「政治の話をしないことは絶対にない」と断言。「政治の話は生き死にに関わる。本当に死んでしまうかもしれない、殺されそうになっている時に政治の話をしないのは、『殺さないで』と言うのをやめろというようなもの。話すべきだ」と、政治を語ることは生存に関わる権利であると訴えた。
これに対し秦氏は、政治とは本来「妥協することが仕事であり営み。喧嘩すること、論破することが仕事ではない」と説く。「AさんもBさんも意見は違うが、ちょうど平均なのか、A寄りなのかB寄りなのかで、どちらも納得するために話し合うこと」を意識すべきだと述べていた。
(『ABEMA Prime』より)

