■AIが弁護士、裁判官になる日が来る?
弁護士でリーガルテック企業「GVA TECH」の山本俊代表は、「DXではオンライン上にデータを置くところで止まっているが、そのデータを前提としてAIに一定レベルの業務をやってもらう動きが進む」と推測する。
そして自社サービスでは「弁護士向けに『AI書面作成』を提供している。訴状を作るにあたり、弁護士の思考プロセスは複雑だ。原告と被告で食い違う証拠や時系列を整理してから、裁判官へ持っていく。裁判官から見て、主張立証が足りているかを整理して、勝てるように書面に落とし込むために、証拠の解析や、主張の分析をAIにしてもらう」のだそうだ。
一方で、AI活用について小林氏は、「弁護士が正しく使えるか。アメリカではChatGPTで作った訴状に、存在しない判例が載っていた例がある。ツールがそろうのと、正しく使えるのは別の問題だ」と指摘する。
山本代表は「弁護士向けにサービスを工夫しているが、裁判官の方が相性はいい」と語る。「弁護士はクライアントから証拠を集めて、いい証拠が集まれば勝つ可能性が上がる世界だ。裁判官は両者の主張も証拠も全部集まった状態で、データさえあれば、AIで適切な判断を下しやすい。裁判官は専門性が高いため、過去の判例で『どのような思考プロセスか』が決まっている。それを当てられれば、弁護士向けより良い結果が出そうだ」。
小林氏は「今のAIには、バイアスの問題もある。そして機械学習により、判例主義に基づく結果は出せるが、新たな判断を下せるか。アメリカでは差別に対する画期的な判決が下されたが、AI裁判官では絶対にできない」との問題点を示す。
加えて、「間違ったことを言う『ハルシネーション』があり、ここをつぶすのは非常に難しい。技術で解決するのか、運用で解決するのか。しっかり組まなければいけない」と話す。
ひろゆき氏は、今後は「資料を読み込まずに判断できるようになり、裁判官が余る時代になる。事故では大体、保険会社の計算書通りの判決になる。それと同じようにAI判決も使われるだろう」と考える。「ただし、判決を下した責任のハンコを押す係として、裁判官は残り続ける。ほとんど作業をせず、ハンコを押すだけの立場に変わり、『結婚の“両性”とは何か』といった所だけ、最高裁判所が一生懸命やる」。
AI裁判官の導入により、「冤罪が増えそう」といった意見もある。これには「日本の刑事裁判は有罪率99%のため、過去の判例を元に判断すると、ほぼ有罪を出してしまう。『同じ条件には、同じ結論』とすると、同じような冤罪事件を産んでしまうため、刑事事件で全面AI化は微妙かもしれない」と述べる。
小林氏は「段階を踏む中で、制度が決まってくるだろう。車で高速道路を突っ走り、事故を起こしても、さほど大きな損害にはならない。これはガードレールなどで守られているからだ。江戸時代にいきなり車が突っ走れば、皆死んでしまう。データにもガードレールを整備しないといけないが、その前にどんどんAIが進化して問題になっている」との現状に触れた。
(『ABEMA Prime』より)

