
19日から韓国を訪問している高市総理と、出迎えた李在明大統領は、20秒以上も硬く握手を交わしました。中東産の原油に依存する両国。イラン情勢に先が見えない中、エネルギー供給などで日韓が協力していくことで合意しました。
【画像】両国の“エネルギー協力”で合意 日韓“シャトル外交”両首脳が互いの故郷に
両首脳が“互いの故郷”に
李大統領の地元・安東(アンドン)。日韓のトップが互いの故郷を訪れるのは初めてのことです。
高市早苗総理大臣
「素晴らしい歓迎をありがとうございます」

李在明大統領
「こんな田舎の小さな町までご足労お疲れ様でした」

7カ月で4回目、ハイペースで顔を合わせる2人。4カ月前、高市総理は故郷の奈良で李大統領をおもてなし。K-POPの有名曲をドラムセッションするなどサプライズ演出も。この直後に起きたのが、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃です。すでに3カ月が経とうとする中、ホルムズ海峡の封鎖は続き、原油の供給は滞ったままです。
両国の“エネルギー協力”で合意
今回の首脳会談。冒頭、触れたのはやはり中東情勢でした。

李在明大統領
「私が生まれ育った安東で総理をお迎えできて、大変感慨深く光栄に思います。現在の国際情勢は嵐に直面しています。いつにも増して友好国間の協力と対話が必要な時だと考えます」

高市早苗総理大臣
「李大統領の故郷・安東でシャトル外交が実践できることは、とてもうれしく思っています。中東情勢をはじめ、国際社会は大変困難な時期を迎えています」
その後の共同会見でも…。

李在明大統領
「戦略的パートナーとして、多様な懸案を虚心坦懐に話し合いました。とりわけ最近の中東情勢をはじめ、サプライチェーンやエネルギー市場の不安定性について、両国間の緊密な協力の必要性がより高まったことに共感しました」
高市早苗総理大臣
「大統領と私は、日韓関係のみならず中東情勢も踏まえたインド太平洋地域情勢について、率直な意見交換を行いました」

両首脳は、エネルギー供給網の強靭(きょうじん)化と原油や石油製品、液化天然ガスの融通を含む、エネルギー安全保障の強化で一致し、関係省庁などによる『政策対話』を立ち上げるということです。
また、1942年に、朝鮮半島出身者たちを含む183人が水没事故で亡くなった『長生炭鉱』に関して、去年、発見された遺骨などについて、双方がDNA鑑定を行い、情報を共有することを決めました。

李在明大統領
「両国が歴史の問題において人道主義的な事案から協力していく。小さいながら、とても意味のある初めの一歩になる」

高市早苗総理大臣
「幸い時差もありませんので、何かちょっと困ったことがあったり、諸外国との関係で悩むことがあったら、しょっちゅう電話し合おうねと約束をいたしました。次回は日本にお越しいただくことになります。温泉にしようかな」
米中『G2』背景に日韓接近

かつてないほど緊密な関係に見える両国。背景にはなにがあるのでしょうか。先週、トランプ大統領が北京を訪れ、習近平国家主席との首脳会談が開かれたばかり。G2とも言われ始めた両国が、世界のルールを決めると宣言したかのような温度感でした。
東アジアの国際関係に詳しい専門家は…。

多摩大学 金美徳教授
「米中首脳会談の後、米中に対する牽制(けんせい)。今までの日韓外交とは質的に変わっていきます。北東アジアでの存在感が非常に浮上する。影響力があること自体が(米中への)牽制になる」

国内に目を向けると。去年10月の政権発足以来、高い支持率を維持する高市総理。まもなく就任1年を迎える李大統領も60%前後の支持率で推移しています。さらに、日韓それぞれAI(人工知能)関連銘柄が相場を押し上げ、株価が最高値を記録するなど類似点もあります。

多摩大学 金美徳教授
「一言で申し上げると“呉越同舟”。したたかにお互いに経済的利益を追求するための戦略。利用しているのか友情なのか評価は分かれるが、それぞれの経済的利益・国益さえ得られるのであれば外交・政治はそういうもの」
