19日、参議院法務委員会において、立憲民主党の石橋通宏議員が平口洋法務大臣に対し、日本の難民受け入れ体制と、在留手続き手数料の大幅引き上げ(上限10万円、永住許可30万円)がもたらす影響について激しい追及を行った。
石橋議員は、今回の手数料引き上げにより、就労が許可されず収入や財産のない難民申請中の人々が重大な影響を受けると指摘。更新のたびに高額な費用を課されれば日本に居続けることができなくなるとし、「迫害の恐れのある母国に帰らざるを得なくなったら、これこそまさにノン・ルフールマン(強制送還禁止)原則の違反だ」と主張。事前にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)へ照会をかけ、違反していない確約を取ったのか説明を求めた。
これに対し平口法務大臣は、UNHCRとは協力覚書を交わして難民認定制度の質の向上に努めているとしつつも、「具体的な協力の内容についてはこの場でお答えすることは差し控えたい」と述べるにとどめた。
続いて三谷英弘法務副大臣が答弁に立ち、難民申請中であれば原則として送還は停止され、例外的に送還する場合でも迫害の恐れがある国への送還は国内法令で禁じていると説明。「特定の国に強制送還するということではないので、この原則との関係で問題が生じるとは考えていない」と政府の見解を示した。
しかし、この答弁に石橋議員は反発。「払えません、じゃあ更新ができません、となって『ノン・ルフールマンだから強制的に返すことはしない』と言うが、そういった皆さんは非正規滞在状態に法務省の方針として、今回の制度として、『置いてかれる』ことになる。わざわざそういった難民申請中の方々をお金が払えないからといって非正規滞在者にして支援も受けられない不安定な状態にする。そのことすらUNHCRにOKをもらっているんですか?」と、重ねて国連への照会の有無を質した。
ここで伊藤孝江委員長から指名された平口大臣だったが、なかなか立ち上がれず、後ろから事務方が近寄ってアドバイスする一幕があった。その後、平口法務大臣は「照会の有無を含めて、お答えは差し控えたいと思います」と答弁。この回答に委員会室からは「ダメだよそんなの」など複数のヤジが飛び交った。
さらに石橋議員が「国際法を遵守したものになっているかを確認したか否かを、法務委員会に言わずしてどうするのか?」と理由を問い詰めると、平口法務大臣は「必要な協力を行っていく趣旨に沿っており、特段の矛盾はない」と回答。
この答弁に石橋議員は「はぁ!?」と呆れたかのような声を漏らし、室内のヤジが複数飛んだ。この事態を受けて伊藤委員長は「速記を止めてください」と指示し、議論はストップした。
50秒以上の中断を経て再開された議論において、平口法務大臣は「相手方は国際機関でございますので、やり取りがあるわけでございますけども、その内容について逐一報告することは差し控えたいと思います」と従来の姿勢を崩さなかった。
委員会室がざわつく中、石橋議員は「これは極めて重大な、我が国が締約国になっている国際法を法案が遵守をしているのか。UNHCRと合意があるなら合意に基づいてきちんと照会をかけて、それに対してご意見を聞くべきですし、聞いているはずです。聞いていなかったら極めて重大な問題です。もしUNHCRから『そんなことを国会に対して言ってくれるな』と言われてるのであれば、その文章、証拠も含めて委員会にきちんと提出をしていただきたいと思いますので、理事会でご協議をお願いいたします」と訴え、伊藤委員長は「ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします」と回答した。
(ABEMA NEWS)

