21日、内閣・法務・外防連合審査会において、社民党の福島みずほ議員が「国家情報会議」設置法案について追及した。
福島議員は、海外の情報機関に設けられている厳格な規制や第三者機関による監督規定が本法案に存在しない点を挙げ、次のように厳しい言葉で切り出した。
「この法案は、どういう行動をとってはいけないのか、一切法律上書いてありません。それが欠陥だと思います。例えば、ドイツの連邦情報局(BND)だと、まず警察機関に付属してはならない。聖職者・弁護人・弁護士・ジャーナリストからの情報収集は禁止。私的生活の核心領域の絶対保護を規定する。誤っているものについて訂正・削除ができるという規定があります。ですが、この国家情報会議設置法にはないんですよ。やっちゃいけないこと、とっちゃいけないことが書いていない欠陥法案だと思いますが、いかがですか?」
これに対し木原稔官房長官は、法案で定義されている「重要情報活動」や「外国情報活動への対処」の範囲は十分に明確であるとし、「本法案に何か明らかになっていないということは言えないのではないかなと思います」と反論した。
しかし、福島議員は過去の警察による市民監視の違法判決や韓国の事例を引きながら、政府の説明をさらに問い詰めた。
「能動的サイバー防御法で集められたものは必要があれば取ることができる。マイナンバーに紐付けられた年金や医療情報も必要があれば取ることができる。答弁全部『必要があれば取ることができる』となっていて、何を取ったらいけないのか、極めて曖昧だと思います。これが最大の欠陥です。先ほどもありました大垣警察署事件で警察は市民を監視して情報を電力会社に渡していた。名古屋高裁ではっきり違法と断定されました。情報が流通して、市民監視の情報が使われているんですよ。日本には厳格な規制が何にもないじゃないですか? ものすごくダメな法律ですよ、欠陥法案。いかがですか?」
木原官房長官が「公務員は全体の奉仕者である」という憲法や国家公務員法の服務規定を挙げ、「職員の全員が政治的中立性を逸脱することを防止する制度的担保がなされている」と釈明すると、福島議員は語気を強めて次のように批判した。
「憲法の『全体の奉仕者が歯止めになる』っていうと笑止千万ですよ。具体的な規定がなければ何の歯止めにもなりません。オランダの情報機関に対する監督制度では事前審査が極めてあります。そして、自己監督もあります。公開報告書の発行、議会への機密付属書の提出などあります。(日本は)ないじゃないですか? 官房長官は『今日これから慎重に検討する』と言いますが、法律にないんですよ。ドイツもオランダもイギリスもアメリカも韓国も、とりわけオランダはこれだけあります。ないんですよ。監督機関がないのダメじゃないですか?」
これに対し木原官房長官は、本法案はあくまで行政機関の役割を定める「組織法」であり、国民の権利義務に直接関わるものではないとした上で、これまで通り各大臣の監督のもとで適切な情報活動を行うと説明。
しかし福島議員は「国民の本当に膨大な資料がここに集積され、個人のファイリングが行われるかもしれない」と引き下がらず、「普通の市民は対象にならない」という過去の政府答弁を逆手に取り、国民の監視につながるリスクを追及した。
「強大な権限を持つ、強大な情報が集まるからこそ質問しています。官房長官、(高市)総理は『普通の市民は対象にならない』と言いました。普通の市民と普通でない市民はどうやって分けるんですか? 普通の市民と普通でない市民を分けるためには、膨大な国民を調べないといけないんじゃないですか?」
これに内閣官房の岡内閣審議官が、ルールを守ってデモに参加しているだけの人は「普通の市民」であり、監視する意図もリストを作る実益もないと否定すると、福島議員は政治的中立性や監督機関の必要性を改めて強く主張して締めくくった。
「今まで内調(内閣情報調査室)、それからいろいろな防衛省でやってきたじゃないですか? だから、政治的中立性の条文がなんとしても必要なんです。それがないんですよ。本当に問題があると思います。CIA(アメリカ中央情報局)はブッシュ大統領にイラクに大量破壊兵器がある可能性あると情報を上げ、それでイラク戦争に踏み込むわけです。要するに、権力・政治に媚びて情報を流して、それ向けの情報を取るということがまさに起こり得る。政治的中立性、プライバシー権を守るといったことがない、第三者機関、監督機関がないということなど大欠陥の法律で、これは認められないということを強く申し上げます」
(ABEMA NEWS)

