
議論が続いている皇室典範改正で、皇族の数の確保が課題となっています。多忙とされる公務の実態を宮内庁担当記者が解説します。
皇室典範改正へ 議論が加速
秋篠宮ご夫妻は21日午前に、ベルギーに関する特別展を視察したほか、午後はラオスの副首相と面会されました。スケジュールびっしり、多忙な一日です。特に秋篠宮家は公務が集中しています。
こうした中、皇室典範の改正が現実味を帯びてきました。
安定的な皇位継承を巡る与野党の代表者らによる協議は進んでいて、国会としての総意をできるだけ速やかにとりまとめるとしています。
森英介衆院議長
「今国会中に皇室典範改正案等の成立にまでこぎつけたいと考えている」
これまでの政府の有識者会議でも、悠仁さままでの皇位継承はゆるがせにしないことを前提としてます。しかし、女性皇族は結婚後に皇室を離れるため、悠仁さまが天皇になられた時、皇族はいなくなり、「法制度上の役割」や「皇族としての公的活動の遂行」を担えなくなるリスクがあるとしています。
皇族の数の確保のため上がっているのが、旧宮家の男子を養子に迎える案と、女性皇族が結婚後も皇室に残る案です。
現在の女性皇族は結婚後に皇室を離れ、その際、公務は別の皇族に引き継がれるケースもあります。
小室眞子さんは日本工芸会の総裁を務めていましたが、結婚後、妹の佳子さまに引き継がれています。
多忙な公務とは
天皇陛下
「公的活動を担うことができる皇族は以前に比べ減少してきております。そして、そのことは皇室の将来とも関係する問題です」(2020年)
天皇陛下は、春の叙勲があった先週12日は一日スケジュールがびっしり。午後には執務にご養蚕、さらに愛媛県訪問について説明を受けられています。
秋篠宮さまもまた、今週は忙しく、週の頭に千葉をご訪問された後も公務が立て続いています。
社会部 宮内庁担当 吉田遥記者
「秋篠宮さまが代替わりで皇位継承順位1位の皇嗣となり、当時の皇太子夫妻から多くの公務を引き継いだほか、複数の団体の総裁職を務められています。1週間の間に秋篠宮さま、紀子さま、佳子さまがそれぞれ単独で地方訪問に臨まれることもあるなど、多忙な日々が続いています」
秋篠宮さまご自身は公務の数について。
「物理的にどこまで可能なのか、このこともよく考えていかないといけないなと思っています。もう一つは私が今しているものを今度は譲る先がないという事情もあります」
85歳の常陸宮妃華子さまは、現在も公務を続けられています。
吉田記者
「ある宮内庁幹部は『視察先を減らすなどできるだけ負担がないよう調整するしかなく、宮内庁全体で考えて方針を出していかないといけない』と指摘していますが、抜本的な公務の見直しは進んでいないというのが現状です」
皇室を支える宮内庁。皇族の数を増やす国会の議論に、宮内庁内では「今のままだと女性皇族は結婚できない」という声もあるといいます。どういうことなのでしょうか。
“女性皇族の結婚”何が変わる
ようやくまとまり始めた改正に向けた議論。宮内庁はこれまで喫緊の対応が必要だと訴えてきました。
吉田記者
「女性皇族が結婚後も残る案については、皇族の方々の人生を大きく左右するため、『今のままだと女性皇族は結婚できない。実は意中の人がいて、中途半端な状況では一歩進めないと思っている可能性はゼロではない』という声も上がっています」
今回の議論の中で、「女性皇族が結婚後も皇室に残る」という点では多くの党が一致しています。課題は、その皇族が結婚した相手と子どもを皇族とするかです。
自民党や国民は「配偶者や子どもを皇族としない」としています。理由は「選挙権や被選挙権など基本的人権が制約される」ためです。
一方、立憲民主党は配偶者や子どもも皇族とすることを認めるとしています。理由については「近代における家族の姿は家族一体というのが国民の総意」だとしています。
これはあくまで、これから先の皇族に関して適用される考え方で、現在の女性皇族について自民党は「今の制度の下で、人生を過ごされてきたということに十分配意すべき」として結婚によって皇室を離れることもあり得る、自身で判断できるようにするのが良いとしています。
愛子さまは以前、「公務に携わることのできる皇族の数は、以前に比べて少なくなってきていると承知しておりますが、制度に関わる事柄につきましては、私から発言することは控えさせていただければと思います」と話されています。
議論の行方を見守る宮内庁は。
吉田記者
「今回の議論では実質的に『皇位継承』については棚上げされている形で、悠仁さま以降の空白が完全に解決されるわけではありません。ただ、ある宮内庁幹部は悠仁さまが天皇になった時に振り返ったら誰もいないということにならないようにしておくべきで、どう次の世代が引き継げばいいのかと考える必要があるとしています」
(2026年5月21日放送分より)
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