21日の衆議院憲法審査会では、緊急事態条項の条文イメージ案について討議が行われ、自民党の新藤義孝議員は国会が開けず法律が作れなくなった場合、代わりに内閣が制定する「緊急政令」や、財政支出機能を代替する「緊急財政処分」の必要性を訴えた。これに対し野党からは反対論や慎重論が相次ぎ、共産党の畑野君枝議員は「太平洋戦争を遂行する体制を作るために用いられたのが緊急勅令などの緊急事態条項」と反発した。
【映像】 緊急事態条項で戦争に 歴史を説明する畑野氏(実際の様子)
畑野議員は「緊急事態条項の規定は先の戦争の反省から日本国憲法が否定してきたものです。日本の植民地支配と侵略戦争でアジア太平洋地域で2000万人、日本国民310万人以上が犠牲となりました。この戦争を遂行する体制を作るために用いられたのが明治憲法にあった緊急勅令などのいわゆる緊急事態条項です。当時の政府は緊急勅令によって、議会で廃案になった治安維持法に死刑を導入する改悪を強行するなど、戦争に反対する国民の声を弾圧するために乱用しました。緊急財政処分も日清・日露戦争そして満州全土の制圧など戦争を遂行する戦費を調達するために乱発されました。任期延長も同じです。太平洋戦争へと突き進もうとしていた1941年、挙国一致体制を作るために国民の中に不要な議論を起こしてはならないという理由で衆議院議員の任期を1年延長しました。国民の声を押さえ込んだもとで東南アジアへと戦線を拡大し真珠湾攻撃へと突き進んだのです」と指摘した。
そして「この教訓から日本国憲法は内閣による緊急政令を廃し、国会議員の任期を憲法に明記し、国民主権と民主主義を徹底することを求めているのです。日本国憲法が緊急事態条項を否定したのは悲惨な戦争を2度と起こさないという決意にほかなりません。これは日本国憲法の原点そのものです」と訴えた。
そのうえで「私たち政治家がすべきは国民が求めていない改憲のための議論ではありません。現実に窮地に陥っている国民の暮らしやなりわいを守るための議論です。ナフサなど石油関連製品の不足で事業者からは『このままでは廃業するしかない』『コロナ禍以上に深刻な状況だ』という声が上がっています。この声にどう対応するのかが国会には問われています」などと主張した。(ABEMA NEWS)
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