今月13日から15日にかけてアメリカのトランプ大統領が、19日から20日にかけてはロシアのプーチン大統領が相次いで中国を訪問し、習近平国家主席との首脳会談を行った。さらにこの半年ほどの間には、フランスのマクロン大統領やイギリスのスターマー首相も訪中しており、国連安全保障理事会の常任理事国すべてが中国を訪問するという異例の状況が起きている。テレビ朝日中国総局の尾崎圭朗記者は、各国が中国へ接近する狙いやその背景を解説した。
今回の米中首脳会談では「建設的戦略安定関係」という言葉が新しく打ち出され、米中対立が制御不能になることを防ぐ実利的な合意が交わされた。尾崎記者は、支持率が低迷し中間選挙を控えるアメリカ側の思惑について、「中国と経済面などでより有利な内容を含んだ合意を取り付け、それをアメリカ国内にアピールして支持率向上を狙いたいという思惑があった」と解説。対するロシアはウクライナ侵攻以降、中国への経済的な依存度をより強めており、長年目指してきた天然ガスの新しいパイプライン計画など、エネルギー分野でのさらなる協力強化を狙っている。
さらに、ヨーロッパ諸国が中国へ接近する背景には、トランプ氏が掲げる西半球優先の「ドンロー主義」によって従来のG7などの概念が軽視されつつある現状がある。尾崎記者は、「経済の先行きが見通せないフランスやイギリスなどは、これまでほどアメリカを頼れないという状況が発生している中で、中国に対してより接近して安定した関係を求めている」と分析し、これが現在の「中国詣で」とも言われる事態を生み出していると指摘した。
こうした中、日本への影響も浮き彫りになっている。米中首脳会談では日本への名指し批判はなかったものの、中ロ首脳会談後に発表された共同声明では、日本政府に対して「新たな軍国主義と再軍備を放棄するよう求める」と明記するなど、両国が共同で日本を名指し批判した。
【映像】トランプ氏、プーチン氏に同じ歓迎? 飛び跳ねて迎える子どもたち
尾崎記者は今後の見通しについて、「中ロが共同で日本を名指しで批判したことからも、緊張状態が続く日本と中国の首脳会談はまだ先なのではないかという見方が強い」と言及。「中国側とは没交渉の状態が続いていて、なかなか状況が打開できない」と北京の日本大使館関係者らは苦悩しているという。ここで、注目されるのは11月に中国の深圳で開かれるAPEC首脳会議だと指摘。「日本の外務省関係者には、なんとかAPEC首脳会議を日中関係を前に進めていくための契機にしていきたいという思いがある」と述べ、経済界を巻き込んだ大国外交の流れの中で、日本が今後どのように立ち回るのか、外交手腕が問われているとした。
(ニュース企画/ABEMA)

