国力研究会は「300円で入れる保険」? 高市総理は全く「盤石」ではない? 自民の8割集結も透ける議員らの本音と政権の足元

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【映像】ひと目でわかる! 今の自民党の勢力図

 高市総理大臣を支援する有志の国会議員グループ「国力研究会」が新しく設立され、21日に初の総会が開かれた。

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 テレビ朝日政治部の澤井尚子記者によると、今回の研究会は高市総理本人は参加していないものの、政権ナンバー2の木原官房長官が会の事務総長として深く関与。高市総理と自民党との距離感が指摘される中、総理を応援する姿勢を示すために、「政権として進める国論を2分するような政策テーマについて講師を呼ぶなどしてみんなで勉強することで、推進力を高めようという有志による議員連盟」として発足。初の会合には代理出席を含めて277人が集まり、入会届を提出した議員は自民党議員の8割以上にあたる347人に達した。澤井記者は会場の様子について、「かなりの人数で入りきれず、名刺を置いて帰る人も多くいた」と説明。会長には前財務大臣の加藤勝信氏が就任し、最高顧問には麻生太郎副総裁、幹事長には萩生田幹事長代行が名を連ねている。

 しかし、無派閥で党内基盤が脆弱とされてきた高市総理のために、なぜこれほどの規模のグループが誕生したのか? その背景には、近く控えている党・内閣人事を前に、これを「踏み絵」と捉えて参加した議員たちの思惑がある。

 資金面では議員歳費から月300円の会費を集める形をとっており、ある議員はこれを「300円で入れる保険のようなもの」と例えている。実際、設立前には未入会者のリストが永田町内で回る動きもあり、中堅の閣僚待機組からは「入るほかない」といった声や、「行かない方が目立つからとりあえず入ろう」という本音も聞かれる。こうした動きに対し、村上誠一郎議員は「なんであんな大政翼賛会みたいな会をやる必要があるのか? 全くナンセンス」と批判して入会見送りを決めたほか、石破茂元総理らも参加していない。

 かつて政治とカネの問題から麻生派以外のすべての派閥が解消され、ガバナンスコードによって金や人事に関わる旧来型の派閥結成は禁止された。議員連盟は任意団体で、収支報告書の提出義務がなくメンバーも非公表にできるため不透明になる危険性も指摘されているが、今回の「国力研究会」は人数も膨れ上がり、緩やかなつながりでしかない。

 今回のグループ設立には、山積する難しい課題への政策推進だけでなく、「敵を排除することで、来年秋に控えている自民党総裁選を無投票で再選したい」という中長期的な狙いも透ける。しかし、高市政権の足元は決して盤石ではない。

 高市総理は、安倍・菅政権時代に比べると自民党側との交流が圧倒的に少ない。澤井記者は高市総理について「飲みニケーションが苦手で、書類を1人で読み込む勉強家タイプ」と分析している。

 さらに現在、政権にとって最大の障壁となっているのが参議院の運営だ。そもそも参議院は少数与党の状態が続いており、法案を通すためには他党との調整が不可欠となる。その上、自民党内においても、石井準一参院幹事長率いる「参議院クラブ」が約半数を押さえているほか、松山参院会長の参議院宏池会(旧岸田派)グループと合わせると参議院の約8割をこの2人で掌握している。参議院の人事は総裁が関与できない独立した仕組みであるため、高市総理にとっても無視できない存在となっている。

 澤井記者は今後の政局の風向きについて、「高市政権の支持率次第だ」と指摘する。現在は高い支持率を維持しているため表面化していないが、今後もし政権が躓き支持率が低下するようなことがあれば、水面下で進む党内の複雑なグループ化の動きが、来年秋の総裁選に向けた政局へと一気に発展する可能性を残している。

(ニュース企画/ABEMA
 

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