■不快だが…違法ではない?法的な課題
音大おじさん問題について法律の専門家はどう考えるのか。自身も音楽活動に関わっている骨董通り法律事務所の橋本阿友子弁護士は次のように話す。
「被害を受けていると思っている人が、直接的に加害をしていると思われる人に対していろいろ行動するのは危険。施設側から言ってもらうのが一番現実的な解決だと思う」(橋本氏、以下同)
橋本氏によると、施設管理権を基に「会場内は撮影禁止」などのルールを定めた上で、守れない場合には出入り禁止にするなどの手段が考えられるという。それでも対応が難しい問題については…。
「自分の演奏の活動に影響が出るんじゃないかと、どうしても前に進みにくい方がいる。これがまさに被害者心理。(弁護士が)こういう行為をしてはいけませんよと通知すると、それでストップすることもあるので、程度がエスカレートしない間に、『こんなことで相談してもいいのかな?』ぐらいの段階で相談に来ていただく方が早く解決する」
迷惑行為は法的にはどうなのか。明確な盗撮なら違法だが、例えば、勝手に自分の写真を撮られていたり、足元ばかりを集めた動画がアップされているケース。性的な姿態の撮影は処罰の対象だが、演奏中の写真や、足元を写しただけの画像そのものが性的な対象物とは言い難いそうだ。ただし、無断でSNSなどにアップされた場合、削除要請ができることもある。
その上で、橋本氏は「違法な行為なのかそうじゃないのかを法律家以外が判断するのは難しい。違法と言える場合があったり、別の解決方法があるかもしれないなので専門家に相談を」と話す。
一方で、演奏者と客という関係が続く以上、形は変わってもこの問題に悩み続けるのではないか。Aさんはそこから抜け出す方法を模索している。
「こちら側も変わらないといけないなって思うのが、クラシックだけに固執している人がすごく多いので、ほかの音楽もやって収入の口を増やすというか、おじさんに頼っていかなくてもちゃんと食べられるように自分たちで変えていけばいいんじゃないかと思うけど、なかなかそれが難しい……」
「底辺学生の気持ちは…」相談にハードル
