かつてパリの頂点に立った名手のラストマッチを見届けようと、会場は満員の観客で埋め尽くされていた。試合終了を告げるポイントが決まった瞬間、客席は総立ちとなり、偉大なキャリアを称えるスタンディングオベーションに包まれた。スタンドではファンが手作りした「S」「T」「A」「N」の4文字のボードが掲げられ、愛称である“スタン”への感謝と惜別への思いがあふれる感動的な空間が広がった。
試合後のセレモニーを終え、長年死闘を繰り広げてきたローラン・ギャロスのコートを去る時が来た。ワウリンカはゆっくりと歩みを進めると、両手を胸の前で合わせてファンへ深い感謝の意を表現。万雷の拍手が鳴り止まぬ中、その顔にあったのはあまりにも晴れやかな笑顔だった。記憶に残る名プレーヤーが、思い出の詰まった赤土の舞台に静かに別れを告げた。
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