
日本人に人気のサーモンはこれまで8割を輸入に頼ってきましたが、今大きく変化しています。国内の水産大手のほか、世界最大の「サーモン大国」が日本での養殖に力を入れています。
養殖で輸入モノに対抗
ニッスイ「国産養殖サーモンに関する事業説明会 兼 試食会」の会場には、報道陣が続々と集まっています。
会場に並んでいたのは、今週、岩手県で水揚げされたばかりの大きなサーモン。見事な輝きを放つ天然モノに見えますが、養殖されたものです。
養殖しているのは、大手食品会社・ニッスイのグループ会社で、社名も「ニッスイサーモン」に改名し新ブランドを始動させました。
Umiosの調べでは、「回転ずしでよく食べるネタ」で15年連続1位に君臨しているサーモン。圧倒的な人気を誇りながら、国内に流通するサーモンの8割を輸入に頼っています。
ニッスイサーモン 鶴岡比呂志社長
「最近は(国内の天然)サケの不漁が続いています。そういった状況の中で注目されているのが、日本でのサーモンの養殖になります」
ニッスイサーモンは、2030年には国内での養殖サーモンの生産量を2.5倍の1万トンにまで拡大する計画です。
「高いハイブランドを目指すというよりは、どこのスーパーでも料理屋さんでも、安心して扱っていただけるような品質とコストを両立したい」
輸入サーモン高騰で異変
国産の養殖サーモンが盛り上がる一方で、異変が起きているのは輸入サーモンです。
円安や輸送コスト上昇などの影響で、去年のサーモンの輸入価格は、1キロ1528円と5年前に比べて6割高騰しています。
千葉の鮮魚店では、逆転現象が起きていました。
26日、店に並んでいたのはすべて国産のサーモン。100グラムあたり450円です。
以前は9割がノルウェー産、2月上旬は100グラム429円で販売していましたが、中東情勢緊迫の影響で価格が急上昇しました。
石毛魚類 千城台本店 山田昌央店長
「国産のサーモンに(価格が)追いついてきちゃった。どうせ値段が一緒だったら、国産の方を使おうと」
日本で養殖ノルウェー企業
現在、この鮮魚店が扱う国産サーモンは、静岡で養殖されたものです。
場所は、静岡県小山町の富士山のふもと。東京ドーム1.2個分、およそ5万7000平方メートルの広大な敷地に造られた大規模養殖施設で、アトランティックサーモンを育てています。
養殖場を手がけるのは「サーモンの本場」ノルウェーに本社を置く企業で、施設全体で110万尾を養殖しています。
水流や水温、餌(えさ)の量などすべて24時間コンピューターで管理しています。職員が毎日水質を分析し、サーモンにストレスがかからない環境を整えています。
プロキシマーシーフード
柳澤海人品質コーディネーター
「病気のリスクも抑えながら、年間を通して安定した品質で魚を生産することができる」
ホテルでも提供されているお墨付きのアトランティックサーモン。サーモンの養殖は現在、国内のおよそ150カ所で行われていて、水産研究・教育機構によると、今年の生産量は前の年より1割ほど多い3万3000トンに上る見通しです。
「世界を取りに」国も期待
養殖サーモンの勢いに、国も期待を寄せます。
鈴木憲和農水大臣
「陸上養殖は日本が勝ちにいかなきゃいけない分野。日本のテクノロジーで世界を取りに行く。しっかりとこれから成長戦略に入れて、後押しをしていきたい」(25日)
拡大を続ける養殖サーモン。販売の現場が期待しているのは…。
石毛魚類 千城台本店 山田昌央店長
「(養殖の)みなさんが頑張っていただいて、少しでも安く出してというふうな競い合い方をしてもらえば、うちも安く売れるので、本当に期待してます」
(2026年5月28日放送分より)
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