28日から運用が開始された「新しい防災気象情報」について、テレビ朝日の山内陽平記者が解説した。今回の改定における最大のポイントは、気象情報に「レベル」が表記されるようになった点である。これにより、気象庁が発表する情報と住民が取るべき避難行動が直感的に紐づく形へと整理された。
新情報では「警戒レベル」に相当する数字が明記される。例えば「レベル4危険情報」は自治体が出す「避難指示」に相当する状況を示しており、危険な場所にいる人はこの段階までに避難を完了させることが大原則となる。レベル5は既に災害が発生しているか、切迫している状況(発生しかけている状況)を意味するため、レベル5を待たずに逃げ切ることが重要である。ただし、気象庁が発表するのはあくまで「目安」となる相当情報であり、実際の避難指示を発令するのは各自治体だ。自治体は雨量のほか過去の災害履歴なども総合して判断するため、自動的に避難指示が出るとは限らない。そのため、住民一人ひとりが気象庁と自治体の双方の情報を主体的に確認する必要がある。
また、今回の改定では災害の種類が「河川氾濫」「大雨」「土砂災害」「高潮」の4つに明確に分類された。大きな川が対象の「河川氾濫」は河川ごとの発表となるため、広範囲な地域が対象になりうる。一方、増水スピードが早い中小河川の氾濫や街中の浸水などは「大雨」の枠組みで発表される。小さな川は溢れるまでの時間が短いため、氾濫に関する情報を待つのではなく、雨が降り出した段階から備えを始める認識が必要となる。
さらに「土砂災害」においては、警戒レベル4の危険警報が出るおよそ3時間前にレベル3が発表される運用が特徴である。これは高齢者など避難に時間を要する人のためであると同時に、危険な場所にいる住民にとっても避難行動への具体的な時間的目安となる。台風接近時などに海面が上昇する「高潮」は、浸水発生から逆算して早めの避難が呼びかけられるが、一度発生すると被害範囲が広くなる特徴がある。
本格的な出水期を迎えるにあたり、事前の情報収集や備えが不可欠となる。気象庁のウェブサイト「キキクル(危険度分布)」では、洪水と浸水を統合した「大雨キキクル」が新設され、自分の地域に迫る危機を地図上で直感的に確認できるようになった。日頃からハザードマップで自宅のリスクを把握し、デジタルでの情報収集が難しい高齢の親族の代わりに周囲が確認して連絡を取り合う意識も大切になる。災害が起きてから慌てるのではなく、「自分の身は自分で守る」という大原則のもと、日常の中に防災の備えを溶け込ませていくことが求められている。
(ニュース企画/ABEMA)

