しかし、同大会2年連続の出場となる19歳のフォンセカもただでは終わらない。第3セット、ジョコビッチのダブルフォルト絡みでリードを奪うと、恐れを知らぬ強気なストロークで一気に流れを引き寄せ、そのまま第3、第4セットを連取。そんな中で観客の目を釘付けにしたのは、ジョコビッチが見せた絶望の表情だった。ライン際を突く王者の絶妙なショットに対し、19歳が完璧な身のこなしで切り返した瞬間、ジョコビッチはたまらず深いため息。まるで『マジかよ…』とお手上げ状態といった顔を見せたのだ。一進一退の攻防が続いた最終セットも、終盤の第11ゲームでドロップショットを決められて万事休す。4時間53分にもおよぶ大激戦の果てに、ついにコートへ沈んだ。
過去に3度の優勝(2016年、2021年、2023年)を誇り、実に22年連続でパリの赤土を踏んできた鉄人にとって、全仏でのベスト16入りを逃すのは2009年以来、実に17年ぶりの“大事件”だ。最初の2セットを連取してからのよもやの失速。躍動する19歳の若武者のキレッキレなプレーに屈し、コート上で見せた諦めとも取れる表情は、テニス界における激しい世代交代の波を痛感させるには十分すぎるワンシーンだった。
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