
風力発電を巡って風車が折れる事故が相次いでいます。北海道で進む風力発電計画については、函館市長が「許容できるレベルではない」と苦言を呈しています。
風車の羽根が破損
29日、経済産業省を訪れた秋田県の鈴木健太知事。
鈴木知事
「風力発電の安全性・信頼性を揺るがす重大な事案だと認識している」
3月、低気圧の通過で強風が吹き荒れた日の翌日。風力発電の風車が根元から折れているのが見つかりました。
秋田県内では先月も、風車の羽根が折れ、破片が落下する事故がありました。
鈴木知事
「そもそも落ちるはずのものではない。国主導のもとで早期原因究明と再発防止策を重ねてお願いしたい」
自然保護めぐり“後出し訂正”
風力発電を巡るトラブルは、北海道の函館市でも…。
函館市 大泉潤市長
「当該事業は問題が多すぎる。許容できるレベルではない」
函館市長が問題視するのは、寅沢町で進められている風力発電計画です。
都内にある事業者が、北海道が所有する林およそ1100ヘクタールの敷地で最大11基の風車を建設する計画で、5年後に着工し、2035年の稼働を目指しています。
今月、業者が明らかにした“訂正”が、地元住民の間で物議を醸しています。
函館市 川崎啓太市議
「土砂災害の特別警戒区域は除外したと説明されていた。“場合によっては含まれる”ような表現に変わっている」
事業者が公開した事業計画の訂正です。これまでは、事業区域は「土砂災害警戒区域などを除外した」と説明。しかし、訂正後は「可能な限り対象区域から外すよう検討した」と説明を変えました。
函館市によると、工事車両の通行などで使われる場所にこれらの区域が含まれていました。さらに、自然豊かな一部のエリアを「除外した」という説明を「状況によっては貴重な自然林を伐採・改変する可能性がある」と訂正しました。
事業を進めるにあたり、住民説明会はすでに4月に2日間かけて実施済み。住民側には29日までに郵送などで意見を送るよう案内されていました。
事業者が訂正したのは20日でしたが、住民の意見を求める期限は延長をしないというのです。
川崎市議
「市民目線で見ると大きな変更だと感じております。説明会からやり直すべき内容と強く感じた。到底納得できるようなものではない」
住民らの団体は市に要望を出し、業者側に説明を尽くすよう求めています。
函館市町会連合会 江頭進前会長
「『なんなんですか、ここは』ということ、それが皆さん分かっていない。判断材料が市民に渡っていない。どう説明してくれるのか、納得できる説明ができるんですかというのを(事業者に)市で要望していただきたい」
「(事業者側が)『国の施策に合ってますよね』『函館さんも貢献しましょうよ』『事業費もあるので税収も増える』いいことだけしか言わないのはどうなのか」
なぜ募集期限を延長しないのか
事業者に不信感を覚えた男性は、署名活動を開始。現在、およそ3万人分の署名が集まっています。取材中にも撤回を求める人が署名を持ってきました。
住民説明会に参加した 富樫雅行さん
「(業者は)『問題が起きてから対応する』そういった返答ばかりだった。不安をかき立てられたような内容」
地元の産業に影響はないのか、漁師の男性も不安を覚えています。
函館漁協 熊木祥哲さん
「山・川・海はつながっている。函館は一次産業の町。函館はイカも有名。海にどれだけ影響あるのか分からない」
市長も事業者に対し、説明を求めています。
大泉市長
「市民の不安、社会的不安が引き起こされている状態だと思う。より丁寧な説明が求められるところ」
事業者に対して、なぜ住民の意見を募集する期限を延長しないのか取材すると…。
事業者 ※番組の取材に対する回答
「今回の正誤表及び更新版の公表については、誤記に対する自主的な訂正対応として実施したものです。このため、現時点で意見募集期間の延長は行っておらず、延長の予定もありません」
今後の住民説明会については。
「今後については事業の進捗(しんちょく)に応じて住民説明会の実施を検討してまいります」
住民と事業者が歩み寄ることはできるのでしょうか。
川崎市議
「法人が(事業を)やるわけですから、撤去を含めたどこまでの責任を負う予定があるのか、計画があるのかも含めて地域へのメリットデメリットはどう捉えているのか、現状では全く十分に(説明が)なされていないのが私含め多くの市民の率直な意見。誠意ある説明をしていただきたい」
(2026年5月30日放送分より)
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