卓球・張本美和が涙の激白「もう無理だと…」 絶望の壁を壊し世界一への道を開いた“徹底準備” 松岡修造が聞く

先日の世界選手権で日本のエースとして大活躍した張本美和選手(17)。なんと世界ランキング3位まで来ています。(※5月29日時点)
超えなければいけないのは、2位の王曼イク選手(27)。そして、孫穎沙選手(25)。今大会世界一への道筋が見えてきました。松岡修造さんが聞きました。

重い1勝 これまでの苦悩

今月の世界選手権団体、中国相手に1勝を挙げた張本選手。実は、この勝利はオリンピック金メダルへの道を切り開く特別なものでした。

「(五輪金メダルへ)ちょっと光は見えました。道筋が見えてきた感じです。元々は道も見えなかった。今まで王選手に抱いていた思いがあった中で、それを越えられたと思いました」

これまで何人もの中国トップ選手に勝ってきましたが、誰よりも重い1勝、それが今回の相手、王選手です。孫選手との中国トップ2の一角。張本選手がトップ選手の中で唯一、勝ったことがない選手です。

ずっと負け続け、去年だけでも6試合戦って全敗。それが大きな苦しみとなっていました。

「王選手と何回も試合を重ねて、もちろん自分が勝つ気で試合に取り組んだ時もあったけど、それでも負けるっていうのがあった。『もう無理なんだ』っていう感じになってしまいましたね」

松岡さん
「勝てないと思ってプレーしていたんですか?」

張本選手
「そうですね」

松岡さん
「僕がもし『勝てない』ってプレーしてたら、これほどつまらないものはない」

張本選手
「つまらないというよりは、もはや試合もしたくなかったです。『どっかけがしてくれないかな』と思ってました。何回も試合してたので。でも、どこもけがさせてくれなかったので、自分の体は」

松岡さん
「言い訳できますからね」

張本選手
「そうです」

松岡さん
「それはつらかったですね」

張本選手
「やばいやばいやばい。泣く予定じゃないのに。でも、きょう思ったんですよ。松岡さんとしゃべったら泣いちゃうかもと」

去年の最後に立てた誓い

そんな逃げ続けてきた相手に今回、どんな戦いとなったのか。

まずは張本選手が2ゲーム連取するも、この後、王選手に2ゲーム取り返されます。

嫌な流れの中、最終ゲームへ。そして3対3の同点の場面。なんと、ここからかつてない怒涛の攻撃を見せます。

得意のバックハンドで4対3。さらに5点、6点。まだまだ…7点、8点と驚異の5連続得点。

迎えたマッチポイント。天敵からついに初勝利を挙げた張本選手。これまでと一体何が違ったのか。その裏には、去年の最後に立てたこんな誓いがありました。

「卓球人生を送っていく中で後悔しないで全力で取り組む。毎試合全力で取り組んでいたか、姿勢的にも毎試合全力でやっていたかと言われたら、なんとなく試合をこなして生きてきたのかなと思った。ランキングが上の選手に勝っていなくて、下の選手には負けてない。安定的な感じ、いい意味でも悪い意味でも、そういう1年を過ごしてきていた。卓球を引退するまでやるのか考えた時に『後悔するだろうな』と思った」

徹底した準備 大きな壁を

去年、国際大会で5勝を挙げ世界ランキングは日本人トップの6位。しかし、過密日程だったこともあり、ひと試合ひと試合に向き合えていなかったという張本選手。自分の心に負けないよう今年は取り組んできました。

試合に向け心と体を万全に整え、対戦相手の分析も徹底的に行い、結果を出します。

そして、王選手との試合でも驚くべき変化があったといいます。

「めちゃくちゃ今までで一番準備しました。(試合の)動画ももちろん対策で見ましたし、コーチであるお父さんと、どういう戦術でいくかを今までで一番話しました」

松岡さん
「今まであった怖さ、試合したくないという気持ちは?」

張本選手
「めっちゃなかったです。ちょっと大げさに言うと『やりたい』までありましたね」

その準備の成果が最も現れたのが、連続得点のきっかけとなった場面でした。

「めっちゃ気合入れました。『ツッツキしてくるから、めっちゃ回転掛けてドライブしてやろう』と思っていました。理想通りに動けていた」

前に出て突っつくように打つ“ツッツキ”と呼ばれるレシーブを誘い出して、狙い澄ましたバックハンドドライブ。この徹底した準備こそが大きな壁を壊したのです。

松岡さん
「自分を信じることができた感じですか?」

張本選手
「結構前にお兄ちゃん(張本智和選手(22))から『自分を信じて』と言ってくれたが、よく分からなくて。今は分かるようになってきて。自信を持つというのも、言えば持てるものじゃないですし。たくさん準備をしたり、そういうところから自分を信じられるものができるのが今は分かってきた。その試合は自分を信じられました」

松岡さん
「楽しいんじゃないですか?今」

張本選手
「めっちゃ楽しいです。めっちゃ充実しています、毎日。オフも満喫できていますし。オフも後悔しないように」

松岡さん
「全部、後悔しないで」
「後悔なし!美和!」

「世界一に向かう選手」

徳永有美キャスター
「まだ17歳。いろいろなことを経験して、さらに強くなっていくんだろうなと思います」

松岡さん
「話していて不思議な気持ちになったのは、彼女は世界一になりたいっていう選手じゃなくて、世界一に向かっている選手だなとすごく感じました。彼女は王選手に勝った事実よりも自分の扉が開けた。ある意味、手応え・伸びしろというものを探す楽しさなんです。孫選手に今回負けました。世界ナンバー1の孫選手にはまだまだかないません。でも、話している内容、表現が楽しそうなんです。なぜなら、孫選手は私の伸びしろを教えてくれる存在だと捉えていると。そういう捉え方ができる人が僕は世界一に行くんだなと感じました」

大越健介キャスター
「張本選手は強いと、孫選手が一番脅威を感じているのではないでしょうか」

松岡さん
「美和さんとのトーク、満喫したよ!」

(2026年5月29日放送分より)

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