
台風6号が沖縄・奄美を直撃して北上を続けています。2日、奄美や西日本では線状降水帯が発生する恐れもあります。
あわや瞬間 暴風の猛威
2日午前6時ごろの鹿児島県奄美市の様子です。激しく音を立てながら横殴りの雨風が吹きつけています。
勢いそのままに、刻一刻と本州に近づく台風6号。今年初めて日本に接近した台風6号は、1日に沖縄を直撃。那覇では今年一番の暴風が吹き荒れました。
那覇市のメインストリート・国際通りも激しい風が吹きつけ、ビルに設置されていた配管が道路に倒れると、その衝撃で2つに折れてしまいます。
風に吹かれ転がる配管を、車から降りてきた運転手が歩道によけ、もう一方は別の人が脇に動かします。その後、道路に置かれたパイロンまで飛ばされます。
商店街のアーケードも剥がれ落ちていました。
住民
「お店やっているんですけど、ガラス割れるんじゃないかと思って、ちょっと心配してたんですよ。もう(アーケードの)屋根飛んできて、あっちの屋根が、ちょっと浮いたんですよ。だからもう、そのまま落ちてくるんじゃないかと思って」
さらに、県内の至る所で倒木が発生。沖縄市のシンボル的な存在だった巨大なガジュマルの木は、根元から倒れ、歩道をふさぎます。
近くで働く人
「まさか、倒れると思いませんでした。まさかです。驚きとともにショックを受けています」
60万円分の食材が…
強風の影響か、建物の外壁が剥がれ落ちてしまった場所も。建物の周りには規制線が張られ、歩道には外壁の一部が散乱しています。
急きょ、休業にしたコンビニは停電が原因でした。近くのレストランでも1日朝から停電が続いていました。
カフェ&バル「パッソ」
友利秀和オーナー
「止まって6~7時間経っている状態だと思うんですけど、(冷蔵庫を)開けてしまうと完全に冷気が逃げてしまうので、怖くて開けることができません」
このまま停電が続くと、60万円分の食材を廃棄せざるを得ないといいます。
「沖縄県産のスペアリブだったり、高いお肉や手間をかけたソースも入っているので」
「(Q.2日まで停電となると食材は?)おそらく使えないと思います。廃棄するしかないのかなと」
沖縄本島の北に位置する鹿児島県の最南端・与論島でも、白波が激しく防波堤を打ち付け、ゴーゴーと音を立てながら横殴りの雨風が吹きつけます。
2日朝、台風6号が接近している奄美大島では、時を追うごとに雨の激しさが増しています。
もずく全滅 燃料高騰
台風6号の直撃は、沖縄の食を支える人たちにも大きな打撃に。うるま市では最大瞬間風速40.6メートルが観測され、6月の記録を更新しました。
もずくの生産量全国一の沖縄県で約4割の水揚げを誇る、うるま市勝連地域の漁港。
勝連漁業協同組合 玉城正和さん
「6月半ばまでとれるんですけど、この状況では全滅だと思います。諦めるしかない」
2023年6月にも台風被害に遭い、もずくがすべて流され、6月の売り上げがゼロに。もずくの養殖は網に種付けをし、海底に沈めて成長させるため、対策は難しいのが実情です。
さらに、台風の被害とともに頭を悩ませていることが…。
「燃料も高騰しているし、網も高騰してる。大変。2~3割ぐらい(値上がり)。戦争で」
燃料だけでなく、もずく養殖で使う網もナフサ由来のため高騰。中東情勢の影響を受ける中での、台風被害に…。
「迷惑です。悲しいですね」
“ナフサ不足”で苦渋決断
最大瞬間風速33.6メートルと、6月の観測史上最大を更新した南城市。トウモロコシやゴーヤ、オクラなどを作る農家では、このような声が聞かれました。
宮平農園 宮平翼さん
「4月末から収穫が始まって、今から(収穫)量が増えてくる時期に台風があたってしまう。ゴーヤやトウモロコシは危ない。ダメだと思う」
冠婚葬祭などの行事で需要が高いトルコギキョウ。今月下旬の「慰霊の日」に向け、栽培を進めていましたが…。
「おとといから(シート)の巻き上げをして。ハウスの台風対策はして、花はそのまま残っている状態。花も雨に当たっているので収穫はできない状態。最低でも300万~400万円の売り上げ減」
暴風による農業ハウスの倒壊を防ぐため、シートを外しましたが、雨風を受けた野菜や花は売り物にはならないといいます。
ナフサ由来の資材の供給不安が続き、台風でシートが破れてしまうと、今後の入手は困難に。大切に育ててきた野菜や花を諦める、苦渋の決断になりました。
取材中には…。
「(Q.停電?)停電ですね。ついたり消えたりだと思う、きょう。夏野菜がこれからスタートしていくのに物がなくなる状態。沖縄から野菜がいったん消える状態になってしまう」
「線状降水帯」の恐れ
台風6号が接近している鹿児島県。農家では、急ピッチで作業が行われていました。
園畑果樹園 園畑大嘉志さん(85)
「台風が直撃しますと、桃は落ちちゃうんですよ。できるだけ早く採ろうと思っております」
桃を栽培して65年、台風と桃の収穫期が重なるのは初めての経験だといいます。
「まだ青いのが残ってますもんね。まだ採れる状態じゃない。実が落ちずに残ってくれることを祈りながら、台風の通過を待ちたいと思っています」
去年8月、霧島市では記録的な大雨の影響で、家屋の床上浸水、道路の冠水、崖崩れなど多くの被害が発生しました。
JR肥薩線は線路の土台が崩れ、レールが宙に浮いた状態に。現在も一部区間で復旧のため工事が進められています。
霧島市民 後藤奈津子さん
「(下は)コンクリートなので水は入らないようになっているんですけど、この上の通気口ですね、ここが床下につながっている。ここから水が入って」
こちらの住宅では、床下浸水する被害が発生。
200年の歴史を持つという温泉施設も浸水被害に遭いました。
西郷どん湯温泉 中村良美さん
「みるみるうちに西郷どんの看板の下まで。2メートル近く(水が)来たんです。排水ももう全部詰まってて、もう何日か大変な思いをしましたね」
西郷隆盛ゆかりの地に建てられた観光施設では、床上約1メートルの高さまで浸水。
日当山無垢食堂 松枝俊顕支配人
「ここら辺にある棚とかは持ち上がって倒れて。商品もすべてダメになっていた状態で。結構もうぼうぜんというか」
被害金額は500万円以上になったといいます。被災した経験から、大雨への対策を強化しました。
「コンセントの高さですね、水害にあったラインがこの辺りなので、それより高くするかたちで(コンセントを)設置するようにしました」
対策は、こちらの温泉宿も。
やまのゆ 佐藤弘幸さん
「こちらが排水ポンプになります。こちらのホースで吸い上げて、川の方に流す」
当時、大雨の影響で近くの川から泥水が建物内に流れ込みました。人力で排出しましたが、大きな被害を受けたため、被災後に排水ポンプを購入したといいます。
(2026年6月2日放送分より)
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