3日の参議院憲法審査会で、れいわ新選組の奥田ふみよ議員が、質問を一切行わずに約5分間にわたって持論を訴え続ける異例の「独壇場」を展開した。激しいヤジが飛び交う中で強い言葉を連発した演説の終了後には、審査会会長が発言内の「不穏当な言辞」について速記録を調査する方針を表明するなど、波乱の展開となった。
奥田氏は冒頭、国会議員になって10カ月が経過したことに触れ、「一部の奉仕者ではなく、全体の奉仕者として最大の危機感を持っている」と宣言。先月5月27日に国家情報局設置法が成立したことを「緊急事態」とし、戦前の治安維持法に酷似した悪法であると主張した。大正2年生まれで戦争を生き抜いた自身の祖母から「戦争反対って言う人はどんどん捕まって殴り殺しにされた。黙らされて気づいた時には遅かった」と言葉をかけられたエピソードを紹介し、言論が制限されることの恐ろしさに警鐘を鳴らした。
さらに批判の矛先を改憲勢力へと向け、自民党や改憲を求める政党の支持母体について「人殺しの武器を作って売って稼ぐ戦争ビジネスで儲ける大企業が巨額の企業献金、組織票を与え、誕生した国会議員たち」と言い放った。この過激な表現に対し、委員会室からは激しいヤジが飛んだが、奥田氏はヤジが飛ぶ方向を一瞥したのみで、怯むことなくそのまま主張を続行した。
奥田氏は、310万人もの国民の命が失われた先の戦争への反省から平和憲法が生まれた歴史を強調。憲法54条に定められた「参議院の緊急集会」を活用すれば、いかなる緊急事態であっても対応は可能であるとし、現在議論されている議員任期延長の草案について「まるごと憲法違反、愚劣の極み」と一蹴した。また、沖縄で出会ったという86歳の女性の「みんな死んじゃった。だから戦争は絶対にダメ」という言葉や、世界に存在する1万2000発以上の核弾頭の現状を引き合いに出し、「武器を手放せ。戦争を放棄しろ」と強く訴えた。
終盤、奥田氏は憲法改正の動きを進める議員らに対し、「自分たちの欲を政治に持ち込みまくる愚かな国会議員たちに物申します。憲法尊重擁護義務が課せられている自覚を持て。たかだか国会議員が憲法を触るな!」と激しい言葉で一喝。国民の6.5人に1人が貧困にあえぎ、経済が衰退しているにもかかわらず、まともな減税すらしない現政権を「それでプロの政治屋と言えるのか」と糾弾し、憲法25条が保障する生存権を直ちに全国民に保障するよう求めた。
そして最後に、「裏金脱税の自民党議員が国民生活すらも守れず憲法改正などとは愚か者の所業。自民党と改憲アシスト野党もろとも恥を知りなさい!」と言い放ち、「この普遍の真理である憲法には1ミリも触るな、今ある憲法を守れ」と死守を訴えて約5分間の演説を締めくくった。
奥田氏の独壇場の後、憲法審査会の会長は、どの発言を念頭に置いたものかは不明だが「先ほどの奥田君の発言中に、不穏当な言辞があるとのご指摘がありました。会長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします」と述べ、発言内容に問題がなかったか精査する方針を示した。
(ABEMA NEWS)

